ドン もっとん del 八王子 の つれづれブログ - 憲法、人権、法律をメインに -

憲法・法律・人権をメインに、そのときどきで、考えたことを書いています。 自分らしく生きたいという願いが実現しやすい社会を作るためには、憲法、人権、法律についての正しい理解が不可欠と思っています。 世間にある憲法・法律についての誤解から、個人が生きづらくなっている現状を変えたいと思っています。

表現の自由

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世間にある憲法・法律についての誤解から、個人が生きづらくなっている現状を変えたいと思っています。

電波停止ってできるの? 放送法と表現の自由




2016年2月8日の衆議院予算委員会で民主党の奥野総一郎議員の質問に対する、高市早苗総務大臣の答弁が問題にされていますね。

ちょっと遅くなりまして、すみませんm(_ _)m

法的に何が問題なのかを考えたいと思います。
具体的には、放送法、電波法と行政手続法(行政指導)についてです。あと、憲法も。

放送法について


まず、この法律の目的です。
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   第一章 総則

(目的)
第一条  この法律は、次に掲げる原則に従つて、放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ることを目的とする。
一  放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること。
二  放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。
三  放送に携わる者の職責を明らかにすることによつて、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること。

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まず、「放送」についての法律だということです。ラジオとかテレビの話です。
映画館の映画とか、新聞とか雑誌とかは関係が無いってことです。ここ重要です。

それで、この第1条を読んで、どう思います?
まあ、なかなか、国民=視聴者にやさしい法律なのね、って思いますか?

「不偏不党」 って書いてあるでしょう?

「そんなのムリっ」、っていうのが、なきゃいけない感覚です。
だってね。どんなメディアでも、具体的には、テレビ、ラジオだけでなく、 新聞でも、雑誌でも、広告が有るでしょう?広告主(スポンサー)がすごく嫌がることは書けるわけがない。

たとえば、自動車会社がスポンサーのドラマで、自動車事故で大変なことになる話は、ムリ。
保険会社がスポンサーの場合に、保険会社が保険金を出し渋るのと戦うドラマは、ムリ。

それに、そもそも、日本人は、マスコミに、中立性を求める、っていうことを、フツーに言っちゃう人が多いですけど。
産経だって、読売だって、朝日だって、どれもこれも、同じことを違うように報道しているでしょう?
そもそも、中立、ってどこですか?
自動車のギヤみたいに、ニュートラル(中立)の場所がはっきりしてますか?(最近、自動車のことを知らない人が多いから、わかんないたとえかも?)
だいたい真ん中だと、中立ですか?
日本人みんながかたよっていたら、その真ん中は、中立ですか?

外国では、宗教の新聞とか、政党などの新聞が、多くの人に読まれるようになって、メジャーになるっていうことがよくあります。
ある新聞が、どこの政党支持なのか、というのが、非常に明確なのです。

実際、民主党が政権を取ったときの前後、読売新聞は減っています。
そして、今は、朝日新聞が減っています。(いろいろ有りましたが)

別に、それで、いいじゃないですか。

そもそも、他人の名誉毀損をしているでもなく、 他人のプライバシーを侵害しているでもなく、テロの扇動をしているのでもないわけですから。
まあ名誉毀損とかはしてるかも?


なんで、放送に限って、不偏不党を求められるのかっ。

「なんで、こういうことを、放送に限って定めているか」の理由ですが、

1.放送の電波って、少ないでしょう、有限でしょう?ってことです。
2.新聞とかと違って、放送は時間単位でスポンサーに売るから、勝手にさせると、どんどん、商業的になっちゃう、ってこと、です。

1は、理系でない人には、わかりにくいかも知れませんが、
周波数(電波の波のサイクルの長さ)が近いとだめですし、周波数が高すぎるとだめだし、低すぎてもだめ。そして、テレビやラジオより高いところや低いところは、携帯電話やアマチュア無線や飛行機の無線やその他いろいろな無線が割り当てられているのです。外国とも協力しています。
最近、デジタルになって、少ない帯域(周波数の高い低いが狭い)で、良い画質やたくさんのチャンネルが放送できるようになりました(^o^)/
その分、チャンネルがすごく多くなれば、この1の理由も無くなる(完全には無くならない)のですが、少なくてすんだ分、他の電波(携帯電話の電波とか)の帯域が増えちゃったりしたのですね(T_T)/



さっき見た1条の次の第2条 定義と、第3条、どんな制約があるのか見ましょう。

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第二条  この法律及びこの法律に基づく命令の規定の解釈に関しては、次の定義に従うものとする。
 「放送」とは、公衆によつて直接受信されることを目的とする電気通信(電気通信事業法 (昭和五十九年法律第八十六号)第二条第一号 に規定する電気通信をいう。)の送信(他人の電気通信設備(同条第二号 に規定する電気通信設備をいう。以下同じ。)を用いて行われるものを含む。)をいう。
 「基幹放送」とは、電波法 (昭和二十五年法律第百三十一号)の規定により放送をする無線局に専ら又は優先的に割り当てられるものとされた周波数の電波を使用する放送をいう。
 「国内放送」とは、国内において受信されることを目的とする放送をいう。
十二  「内外放送」とは、国内及び外国において受信されることを目的とする放送をいう。
 
3号と5号~11号と13号~は省略

  第二章 放送番組の編集等に関する通則

(放送番組編集の自由)
第三条  放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。

(国内放送等の放送番組の編集等)
第四条  放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
一  公安及び善良な風俗を害しないこと。
二  政治的に公平であること。
三  報道は事実をまげないですること。
四  意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
2  放送事業者は、テレビジョン放送による国内放送等の放送番組の編集に当たつては、静止し、又は移動する事物の瞬間的影像を視覚障害者に対して説明するための音声その他の音響を聴くことができる放送番組及び音声その他の音響を聴覚障害者に対して説明するための文字又は図形を見ることができる放送番組をできる限り多く設けるようにしなければならない。 
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こんなに、いろいろなことが求められているのですね。

特に、問題になるのは、
2号の、「政治的に公平であること。」
ですね。

そして、放送法や、放送法にもとづく命令(内閣が定める政令や省(この場合は総務省)が定める省令のこと)、放送法にもとづく処分に違反した場合は、総務大臣の権限で、放送業務の停止を命じることができます。(放送法174条)
そして、無線局の運用の停止(電波の停止=停波)などが、総務大臣の権限でできます。(電波法76条)
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放送法
   第十章 雑則

(業務の停止)
第百七十四条  総務大臣は、放送事業者(特定地上基幹放送事業者を除く。)がこの法律又はこの法律に基づく命令若しくは処分に違反したときは、三月以内の期間を定めて、放送の業務の停止を命ずることができる。
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電波法

第七十六条  総務大臣は、免許人等がこの法律、放送法 若しくはこれらの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したときは、三箇月以内の期間を定めて無線局の運用の停止を命じ、又は期間を定めて運用許容時間、周波数若しくは空中線電力を制限することができる。
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放送以外の電波も、放送の電波免許制なのです。(ほんの一部、免許制でないのもありますが)
そして、放送業務も、認定が必要です。

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電波法
(無線局の開設)
第四条  無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。ただし、次の各号に掲げる無線局については、この限りでない。
1号~4号は省略 
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そして、基幹放送局として、免許を受ける手続きについて、後の条文に書いてあります。

放送法には、NHKの根拠が書いてあります。そして、民間放送については、認定を受けなければならない、とか、認定の更新が必要だと、書いてあります。

所管は総務省なので、電波法とか放送法では、総務大臣という言葉が頻繁に出てきます。



表現の自由の問題



ある人が、何か、言論なり芸術などの手段によって、外部に何かしらの表現をすることを、他人に危害を与えない限り、国家権力は制限してはならない、ということです。
これは、「表現の自由」 の説明です。

放送で、何かを表現する場合も、表現の自由の「表現」ですね。特に、ニュースの場合は、表現の自由の中の報道の自由の問題です。

日本国憲法21条に書いてあります。
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第二十一条  集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2項は省略
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「他人に危害を与えない限り」 と上にも書きました。
これは、harm principle(ハーム プリンシプル)といって、 すべての自由権に共通する原則です。
日本語では危害原理と訳されます。

例えばですね。

名誉毀損について、考えましょう。
名誉毀損は表現の自由の問題です。
名誉毀損をすると、刑法の名誉毀損罪になります。 

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(名誉毀損)
第二百三十条  公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
2項は省略 
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そして、民法の不法行為として、損害賠償責任を負うことになります。 
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 (不法行為による損害賠償)
第七百九条  故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
(財産以外の損害の賠償)
第七百十条  他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。
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国家が刑罰を課す、とか、民事で義務を負わせる判決を書くとか、これは、両方とも、表現の自由の制限なのです。
他人に危害を与える場合ですから、当然、憲法上許される制約ということになります。

憲法の人権の問題、特に自由権の問題は、国がする制限が、して良いものかどうか、の問題です。

してはいけない制限を法律が決めている場合、憲法違反の法律ということになります。
法律に問題が無くても、行政や裁判所が、憲法違反のことをする場合もあります。

危害原理について、自由権に共通する問題として書きましたが、
経済的自由権は、さらに他にも制限をかけて良い場合があります。
くわしくは別の機会に書きますが、社会権(労働者の権利や環境についての権利など)を大切にすると、財産権などを制限しなくてはならないからです。 


表現の自由の限界はどこか? それはなぜか?

憲法学には、有名な、学説で、二重の基準論(ダブル スタンダード)というのがあります。

どういうことかと言いますと、
精神的自由権と経済的自由権では、違憲にするかどうかの判定基準(違憲審査基準)が違う、ということです。
精神的自由権の審査基準を、厳しくする、ということです。

(表現の自由は、精神的自由権の一つです。他には、思想・良心の自由、信教の自由、学問の自由などが有ります。)

理由
精神的自由権を不当に制約すると、民主主義の政治の過程(プロセス)自体が傷ついてしまう。
→取り返しがつかない。
経済的自由権を不当に制約しても、民主政治の過程が正常なら、後から直せます。
それに、経済政策とか社会政策とかが関わってくる話なので、裁判所が判断するのは難しいです。


思想の自由市場といいまして、いろいろな人のいろいろな意見が自由に表明されて、そして、自由に聞くことができる状態で、正しい意見が勝利して、人類が進歩できる、という考え方です。

いろんな人が、いろんな所で、いろんなことを、邪魔されずに、言えないといけません。
そうしないと、みんなが、情弱(情報弱者)になってしまうのです。
このブログは、足りない情報を補うことが目的です(^o^)v

(ちなみに、この思想の自由市場という話を頑張ると、マスコミの一方通行の独占的な情報は、すごく問題になります。でも、それを言っちゃうと、今回の報道の自由の話が元も子も無くなりますので(^_^;))


そこで、表現の自由の制約は、 ものすごく例外的なものなのです。よほどのことが無ければ、憲法違反だろう、と言えるというくらいになるのです。

そして、今、生きている憲法学者で、このことを違うじゃんって言う人はほとんどいないとは思いますが、日本の最高裁判所は、まだまだです。
(一応、二重の基準論については言っていても、経済的自由権の制限の話をするときに使っているだけで、精神的自由権の制限については、使わずに、甘々です。)


厳しい審査基準に、照らし合わせて、考える

内容については、具体的に重大な実害が無いのに、制限するのは、おかしいです。
また、どういう場合に制限するのかが明白でないといけません。

だって、前もって、あいまいに言われると、広い範囲のことについて、萎縮してしまいますでしょう?

そして、内容について、制限するのが仕方ないとしても、
制限は、最小限のものでなくてはなりません。

放送法は、違憲でないとは言い切れない、と思うのですが。どうでしょう?


「総務相、電波停止に言及」報道に驚く - 早苗コラム | 高市早苗(たかいちさなえ)

いろいろ言い訳をしています。
これだけ読むと、総務大臣としては、まともですね。なんくせをつける意味がわかりません。

ですが、最近やっている行政指導とかをからめて考えると、おや?とは思います。

行政指導というのは、行政が行った指導について、あくまでも、国民が協力するかどうかは自由、自主的にやるものです。高市総務大臣もそう言っていますね。

ここがミソなのです。

強制じゃないよ。あくまで、そちらの自由ですよ、と。
でも、強制ではないから、「不当な行政処分を受けた、回復してくれ」という、行政不服審査法行政手続法のような制度、手続きは無いのです。
(一応、行政手続法に、後から(2015年施行)36条の2を加えて、救済っぽいことは書きましたけどねぇ。意味無いのよね。)
(この行政手続法の所管も総務省なのよね。電波とか放送は、昔は、郵政省だったんですがね。大昔は逓信省。)

行政指導について、条文も確認しましょう。

行政手続法

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(定義)
第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
二  処分 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為をいう。
五  行政機関 次に掲げる機関をいう。
 行政指導 行政機関がその任務又は所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現するため特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないものをいう。
1号、3号、4号と7号~は省略
-------------------------------------------------------------------------

「指導、勧告、助言」とか書いてあるでしょう。
いるでしょう?面倒くさいいやなやつほど、「命令だ」と言わず、「アドバイスだよ」と言う。
命令だったら、「なんだと?」と言えます。
アドバイスだと、ありがたく頂戴しないといけないわけですよ。その先がこわいですからね。

つまり、「真綿で首を締める」のが行政指導です。日本独特の制度です。こんなのばっかし(^_^;)



行政指導の問題はこの辺にしましょう。

行政指導を守らなかった先に有るものが問題です。

先にも書いたように、法律が、そもそもしょうもない作りなのです。

本当に、日本のテレビ・ラジオのことを考えるなら、本当に日本国民のことを考えるなら、放送法を改正して、行政がいろいろ勝手にできる可能性が無いようにしたら、良いと思います。

予算委員会で大臣をいじって、中継されて、報道されて、喜ぶんでなくて、質問の最後でも言っていたように、最初から総務委員会で話すべきです。
NHKの中継を利用して、予算委員会で質問をしていて、放送界や国民のことを考えているようなことを言えるか、バカ。
国民にとって、大事な、予算審議の時間をなんだと思っているのか。
予算委員会はTV中継されますから、アピールする場としては、もってこい。もちろん、そういう場ではない。





生徒の政治活動。子供の人権は大人と違うのか

高校生の政治活動について、文部科学省がQ&A集を作成した、というニュースがあります。

高校生の政治活動でQA集 文科省作成 毎日新聞の記事です。

子供を、性悪説で見てるんだ(性善説で見ろとも言いませんが。)。そうやって、とにかく管理する発想。それで、教育ができると思ってる。学校を(表面だけ)良い子ちゃん製造工場にしたいのか。


選挙権が18才からになる前から、そもそも、小学生の頃から、政治についてどう向き合うか、社会科とか公民とかで、ちゃんと教えれば良いのだ。


政治は大人の趣味ではないんだ。

もちろん、子供の趣味でもない。


学校生活を台無しにしてまで、他人の迷惑をかえりみずに、政治活動をするのは、もちろん、良いことではない。
でも、それって、政治活動に限ったことではないんじゃない?
わざわざ、政治活動に限って、校則に定めることも、だめとは言わない、って、何それ?


どうせ、若い人は、ラディカルな(急進的な)、現政権に批判的な方に、のめり込むとか、警戒しているんだろう?

大正時代に、民主主義思想が盛り上がって(大正デモクラシー)、(男子)普通選挙(納税額などの制限を一切認めない)を決めたと同時に、治安維持法を定め、選挙運動を厳しく限定する法律(運動期間を直前に限定。投票日当日の運動を禁止。戸別訪問禁止など)を作って、共産主義勢力が台頭するのを防ごうと思ったのと、似たような考えだろう?(今の公職選挙法にも残ってしまってる、世界的にも珍しい制限)

デモ行進を仕方ない限度で規制するのではなく、デモをやってる人は暴力を振るう人たちになると、はなっから決めつけて取り締まろうとする連中と同じ発想だろう?

そもそも、庶民は、特に若い人は、何をしでかすかわからん、たちの悪い連中だ、と思っているだろう?


何様のつもりだ。


現にそういう人もいるかも知れないけど。

そうやって決めつけるのはだめだろう?

そもそも、まともな政治教育をしないから、大騒ぎになっちゃうか、それを冷めて見る人の両極になってしまうのではないか。
生徒たちを利用しようとする勢力に、生徒たちが利用されてしまうのを、防ぐことができなくなってしまうではないか。

マスコミも、権力闘争の話ばかりをしたり、政策の話をするにも、政治家の発言を(自分たちの意図に当てはめて)報道してちゃ、だめだろう。

そもそも、マスコミが、政治家の発言以前に、よく政治(政治に限らず)を勉強した上で、政治家や政党の発言を冷静に分析して、報道しなければだめだろう。

問題が出てから、マスコミが好きな、たった一人とかの法学部の先生や政治学の先生に、インスタントな講義を受けて、分かった気になって、エラソーに変な記事を書いてる場合じゃないだろう。


私は、マスコミの背景に、どういう、権力や、商業的な力が働いているかは、知りません。そういう分析は必要でしょう。

でも、マスコミのことをマスゴミとか言ってる一部の若い人たちよ。
法学や政治学や経済学や社会学などを、少しでも、まともに勉強した上で、何が正しいのか(何が国民みなの幸福のためになるのか)を自分なりに考えた上で、マスコミを批判しようよ。

ゴミと同じ穴のむじなになってしまうよ。


子供も、政治の意味がわからない状態の人にも、国の政治は関係があるんだ。国民は国家の支配下にあるんだから。

だから、本来、民主主義を徹底すれば、子供だって、大人だって、政治にどんどん参加するのがまともなのに。

ただ、選挙権だけは、一定の年齢以上という区切りで判断力があると仮定して、妥協して、行使できる人を区切っているだけなんだから。

基本、選挙権を含む参政権は、本来、国民ならだれにでも認められるべきものなんだ。

日本は永住権を持っている外国人にさえ、選挙権を認めない。そもそも、永住権をちょっとやそっとじゃ認めないし。

永住する気なら、母国を捨てて帰化しろ、というスタンス。(帰化もあまり認めないけど。)

日本に住んでいたら、国民でなくたって(日本国籍が無くたって)、日本国の支配に服するんだ。
所得税も消費税も固定資産税も、外国人も日本人と同じようにとられているのに。
他のことだって、国民と同じように義務があるじゃないか。
むしろ、国民でないことで、不利益が多すぎる。なんなんだ、このバランスは。


選挙権を認めない。その他の参政権を認めなかったとしても。

言論の自由や、集会の自由、結社の自由を不当に制約することはやめよう。

大人についても不当に制約しようとするし、不当な制約を規定する(つまり憲法違反の)法律が多いから、子供にはもっと厳しくしたいのだろう。

でも、あからさまに厳しくしようとすると、左翼勢力の教育者たちを中心に騒がれるから、学校がやるならどうぞ、みたいなスタンスなんだろう。


法の下の平等という言葉を知っていますか?


(公立学校は、国や自治体の権力が及んでいるから、人権を不当に制約してはいけないのは当たり前だが)

私立学校も、一定の限度で、学校の教育の目的にそった自治が認められるとはいえ、生徒の人権を不当に制約してはいけないんだ。

そうでなければ、憲法が最高法規であって、日本の国家の支配が、国民と国内にいる人たちに及ぶ、という大原則が崩れてしまう。(近代以前の封建制などになってしまう)

一定のくくりの中で、人権が認められない=人間扱いがされない、ということになってしまうじゃないか。
 

老人保護施設や障害者施設や保育園や家庭内などで虐待をする人間の意識も、そして問題が発覚するまで動きが鈍い国や自治体も、考え方の根は同じだろう。

宗教団体だって、信者に何かを強制をしたり、信者を虐待してはいけないんだ。当たり前のことなんだ。そんなことを保護することは、信教の自由の意味とはまったく違う。

会社だってそう。強制は一切だめです。犯罪です。
会社に命令されて働いていることは、強制ではないです。本人が望んで(自由な意思で)雇用契約をしているから(自由主義)。ただ、労働者は会社の提示する条件に従うしかない弱い立場だから、あえて国がバックアップします(社会主義の考え方を取り入れている。)。


子供に特別な人権があるわけではない。人権が大人と違うわけでもない。

生まれたら、もう人間なんだから、人権もあるんだ。

ただ、国が、子供を守る立場からの親心で(パターナリスティックな)制限をできるに過ぎないんだ。あくまでも、例外なのだ。だから、行き過ぎはまずい。

そもそもそういう理念を知らず(または無視して)、子供を人間扱いしないことが、世界中で行われているから、あえて、子供の人権の保障を強調して、守る必要があるんだ。子どもの権利条約もそういう意味からできたものだ。


文部科学省にこういう基本的な理解が無いことが、日本の学校で、正しい人権教育ができないことの大きな原因になっているのではないか、と思える。

そして、正しい人権教育を受けられなかった、人権が何かを全くわかっていない連中が、文部科学省の官僚になって、バカを繰り返すのか。

あるいは、政治家になって、より良くする憲法改正ではなく、人権思想を無視した、憲法を憲法でないものにすることを、なんの臆面も無く言い出すのか。


どこかで断ち切らないと。


追記

いったんアップした後、誤解されそうかな、と思われることについて、後から書きました。

一つは、外国人について、永住権とか帰化についてです。 これは、一般的な話です。 戦前に韓(朝鮮)半島から来た人とその子孫、いわゆる在日韓国人、在日朝鮮人とについては、また違った話になります。帰化は簡単に認められているようです。
もう一つは、以前も、今回も、共産主義勢力について、不当な取り締まりをすることに、批判的なことを書いていますが、自由主義を尊重する立場から書いているだけで、私自身が共産主義勢力の考え方に同調することを表明しているわけでもなければ、日本共産党の支持を表明しているわけでもありません。

あえて書く必要が無いのですが、誤解する人が多いのではないかな、と、今までの経験上思いますので、書きました。





 
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同じような内容の本はなかなか無いと思います。
よく有る他の法律の入門書は断片的な知識しか得られません。
大学の学部選択の参考にもなりますよ(^▽^)/
木村草太先生の著作です。




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コンセプト

憲法・法律・人権をメインに、そのときどきで、考えたことを書いています。
自分らしく生きたいという願いが実現しやすい社会を作るためには、憲法、人権、法律についての正しい理解が不可欠と思っています。
世間にある憲法・法律についての誤解から、個人が生きづらくなっている現状を変えたいと思っています。
自己紹介


東京都八王子市 出身

好きな動物:猫。犬も好き。
趣味:カラオケ

創価大学法学部法律学科卒業
大学ゼミ:刑法(内藤謙先生)

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