ドン もっとん del 八王子 の つれづれブログ - 憲法、人権、法律をメインに -

憲法・法律・人権をメインに、そのときどきで、考えたことを書いています。 自分らしく生きたいという願いが実現しやすい社会を作るためには、憲法、人権、法律についての正しい理解が不可欠と思っています。 世間にある憲法・法律についての誤解から、個人が生きづらくなっている現状を変えたいと思っています。

民法

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憲法・法律・人権をメインに、そのときどきで、考えたことを書いています。
自分らしく生きたいという願いが実現しやすい社会を作るためには、憲法、人権、法律についての正しい理解が不可欠と思っています。
世間にある憲法・法律についての誤解から、個人が生きづらくなっている現状を変えたいと思っています。

グリム兄弟の本業?(法学者)といろんな法源(制定法、慣習法、判例とか)

シンデレラ、白雪姫、赤ずきん、ヘンゼルとグレーテルなど、多くの有名な童話を収集編纂したグリム兄弟は、非常に有名ですね。
ドイツ中を歩き回って、民話を集めたんですが、
同時に、ドイツ中で行われている慣習法も調べて集めていたのでした。

基礎法学を勉強した人や民法の歴史などを勉強した人には、けっこう有名な話なのですが、グリム兄弟は両方とも法学者なのです。 政治的にもかなり活躍しています。特にお兄さんのヤコブの方は大活躍です。
とはいっても、最近の研究ではやはり言語学の方に力を入れたかったのが本心らしいということで、どっちが本業なのかは、謎です。
まあ、どっちでもよいですけど(^o^)

それで、その「慣習法って何?」って話です。 

慣習が法だったりするのです。

慣習って何よ?」っていう話ですよね?

字は習慣の逆さまですね?
習慣」は、「個人のしょっちゅうやってることで当たり前になっちゃったこと」ですね。
慣習」は、「一定の社会の人たちみんながやってる当たり前になっちゃってること」、をいいます。

みんながやってて当たり前になっちゃってるから、すごく当たり前だと法になっちゃうのでした。

それでも、いろいろと考え方の違いもあります。
いつも仲良くというわけにはいきません。
いろいろと言い争いになることもあります。

じゃあ、堂々と議論をして、どっちに理屈があるか正義があるか、ちゃんとした人にジャッジしてもらっちゃいましょう、ということで、裁判になります。

人間社会はけっこう複雑ですが、ある程度、同じようなパターンが繰り返されたりします。
同じようなパターンの事例には同じような主張がされて、同じようなジャッジがされます。
同じような事例に同じようなジャッジが繰り返されると、これまた法になっちゃいます。
これが、判例法です。

慣習法とか判例法でも良いですが、やっぱり、きちんと文章になっていた方が安心ですよね。
みんなで集まって、わいわい話して、きちんとしたシステムを作りたいですよね。
あるいは、権力を持っている人は、これが法だっていうものを作っておきたいですよね。
これを制定法といいます。成文法ともいいます。

どこの国でも、程度の差はありますが、だいたい似たような歴史をたどっているようです。
政教一致の国は例外的ですけどもね。
中世ヨーロッパの教会が裁判やってたころとか。
イスラムの国の中で、政教一致の傾向の強い国とか。


古代ローマ帝国は、何千年も前の大昔に、かなり体系的にしっかりした法典(制定法)を作っています。
今の日本を含む多くの国の民法に大きな影響を与えることになります。すごいですね(^o^)/

日本人は、どうも、法っていうと、「お上が作った、してはいけないことの集まり」=「法度」(はっと)を想像しがちですが、それは、日本人が江戸時代に染み込まされた感覚で、もっと昔からの感覚ではなかったのです。

ちなみに江戸時代に、みなさんご存じの有名人、大岡越前がいますね。
あの人は、町奉行でした。

町奉行っていいますのは、町人(商人、職人 )について、さまざまな行政を行ったり、警察をやったり、訴追したり、裁判をやったりしました。幅広いですね(^o^;
民事の裁判も刑事の裁判もやりました。
獄門(死刑)判決を出したりするのは時代劇の嘘です。そこまでの権限はありませんでした。

話がそれましたが、判例の積み重ねをまとめようという話になります。 
大岡越前を重用した、徳川八代将軍吉宗です。
暴れん坊将軍ですね(^o^)/

吉宗に言われて、お偉いさんにまじって、越前がまとめたのが、公事方御定書(くじがたおさだめがき)、その下巻が刑事の判例をまとめたもので、御定書百箇条(おさだめがきひゃっかじょう)とか呼ばれるものです。
このときの越前は、寺社奉行だったりしますが。

明治になって、近代国家を大急ぎで作ることになりました。
近代的な法律を整備するのには、二つの理由がありました。 
・一つは、近代的な法律を整備しないと富国強兵ができない、ということです。
・もう一つは、不平等条約の改正です。
どういうことかというと、近代法の整備ができていない野蛮な国で「裁判を受けたくない」「関税を決められたくない」と、欧米人に言われて、外国人の治外法権(日本の法律、裁判権が及ばない)、関税自主権が無い、という条約だったのです。 
鹿鳴館で毎日ダンスパーティーをやってたのも同じ理由だったりする(^o^;

そこで、 明治に大活躍した雇われ外国人、パリ大学教授のボアソナードの登場です。

ボアソナードは本国フランスの法律の考え方を基本に、まず刑事訴訟法(治罪法)、刑法を作ります。
次に、フランス民法を基本に、日本の民法(案)を作りました。
 フランスの法典といえば、ちょー有名人のナポレオンが作ったものです。
ナポレオンは、缶詰やメートル法など、数々の偉業が有りますが、法典の編纂、特に民法の編纂が一番の功績と言われています。

民法というのは、私法の基本です。
私法というのは、私権について、定めた法です。
国家と国民ではなくて、
国家から自由を保障されたことを前提として、
国民同士が自分の意思で(契約など)活動することについて定めているのです。

ですから、自由の保障を求めて起こったフランス革命が、ナポレオン民法典によって、一応完結した、といって良いのです。人権宣言だけでは終われないのです。
そして、ナポレオンの支配を受けた国がナポレオン法典の影響を強く受けました。


話は日本に戻ります。

フランスの民法は、一つの事例を解決するのに順番に読んでいく書き方がされていますので、一つの同じことについてがあっちこっちに書いてあります。

今の日本の民法の親族とか相続にあたることが、日本に合わない、という人がいて、大騒ぎになったりしたのでした(民法典論争)。
そこで、結局、ボアソナード民法はお蔵入りになってしまいました。

さて、どうしようとなったとき、目をつけたのが、ドイツの民法です。
当時のドイツは、日本同様、後進国で、やはり近代法整備にあせりまくっていました。
そこでできた民法草案は、二つの特徴がありました。
・まだ、たたき台の段階(第一草案)だったので、条文の数がめちゃくちゃ少なかったのでした。
・そして、フランスの民法と違って、同じ関係のものを整理しまくる作り方なのでした。
(そのかわり、初心者にはさっぱりわからんです。)

日本には都合が良かったのです。

なぜかといいますと、親族とか相続の部分は純日本風でいいや、と。
そして、その他の部分(財産法)もいろんな国の条文をつまみ食いできるね、と。
日本独自の制度も入れることが簡単にできるね。
そして、急に本格的な法律を作っても、法律が浮いちゃってもいけないから、隙間だらけにしておいて、後は判例で埋めていけば良いね、と。
結局、千条くらいしかない法律になりました。

ドイツとかスイスの、憲法もその他の法律もおそろしく条文の数が多いのです。 
なぜかと言いますと、行政はもちろんのこと、裁判官が勝手な判断をするなんて許せない、っていう発想があるのでした。
だから、おそろしく細かく具体的に書いてあるのです。

ちなみに、日本の法律は、どうでも良い使えない法律は山のようにあるのですが、細かくきちんと定めるっていうことはできていないです。細かすぎて役所に便利な法律もけっこうありますけどね。
あまり細かすぎても意味が無いのですが、選挙で選ばれた議員が作った法律にあいまいな部分が多いと、結局、行政や司法の好き放題になってしまうのでした。

ちなみに、日本の民法の家族法でない部分、財産法の部分は、形はドイツのですが、中味は、ドイツ法のほかに、フランス法もいっぱい入っていまして、イギリス法もちょっと入っています。
当時の日本の法学界では、イギリス法学とフランス法学が主流だったから、当然でしょう。
明治や法政は、フランス法の法律家が作った大学、中央は、イギリス法の法律家が作った大学です。

さらに、日本的なものも、もちろん入れちゃいました。

比較的わかりやすい話を一つ。
ふつう、外国では、土地とその上に建っている建物は、一つの不動産なのですが、ご存じのように、日本では、土地と建物は別々の不動産です。
そのことからくる不都合を解消するために、法定地上権という日本独自の制度も作って、盛り込んじゃいました(^o^) わからんで良いですよ(^o^)/

明治の日本人は、短期間に、完成度の高い民法典を作ってしまったのでした。

それで、まあ、判例を積み重ねて、今にいたるわけです。

で、日本の国会議員はバカばかりなので、明治の法律家が夢見た、成熟した判例を条文にする作業はほとんど行われずに、平成になって30年近くたっちゃったのでした。民法ができてから、120年たっちゃいました。
多少、社会問題になったものや、外圧や財界の要望があったものは、改正がされましたが。
なお、戦後すぐ新憲法施行と同時に、親族相続は全面的に改正がされました。
でも、70年たっちゃいました。(特別養子縁組制度などの追加は有りました。)
親族相続(家族法)についても、問題がてんこもりなのはご存じの通りです。

ここまで話しておいて、なんですが、判例ってなんでしょうね? 
ちなみに、みなさん、結論の部分について、先例となっているものと思っている人が、相当多いと思うんですが、残念ながら違います。
~年の~刑とか、~万円を払え、とかっていうところは、判決の中の主文といいまして、判例にはならないのです。

その主文に持って行く理屈をこねているのが、判決理由になるわけですが、判決理由の中の、証拠を元にした事実認定ではなくて、どう法解釈をするかの理屈をこねている部分の中で、後の判決理由を書く先例となる部分があります。
これをラテン語で、レイシオデシデンダイっていうんですが(わからんでいいです(^o^) )

どうも、日本で、裁判例といわれているものは この辺りのこと(まったく同じではないかも)で、最高裁判所の裁判例が、判例といわれます。
なぜ、最高裁判所の裁判例が判例といわれて特別扱いなのかというと、法の下の平等の要請です。

よく、みんな、下の裁判所から上の裁判所に訴える、っていうと、「とにかく上に判断してもらおう」とか、「とにかく三回やってもらおう」とか言いますが、そういう問題じゃないのです。
日本のあちこちで、同じようなことで違う判断がされたら、
ちょっと前と、今と、ちょっと後で、同じようなことで違う判断がされたら、
平等じゃないのです。
だから、そろえるために、同じ系列の裁判所の上に判断を求めることができるのです。
そして、上の裁判所も同じことをやってくれると思ったら大間違いなのでした。
まあ、物理的にも無理なのです(じいさん(裁判官)たちが死んじゃう)が、実際、上の裁判所に訴えても、却下されることが圧倒的に多いです。
フランスの最高裁判所にあたる裁判所は、その名もずばり「破棄院」です。

憲法
第七十六条
 すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。
2  特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。
3  すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。

この憲法76条の司法権が裁判所にある、っていう話は、それだけ重要な意味があるのです。

 
イギリスは、コモンローの国で、いろいろと歴史で積み上げてきたものが中心で、国会の作る法律で補っています。
アメリカは、判例法の国で(ルイジアナはナポレオン法典ですが)、判例を、議会が作る法律が補っています。

日本は、ドイツやフランスと同じで、制定法主義の国です。

制定法っていうのは、ちゃんと作る人がいて、条文になっているものです。成文法ともいいます。
国会の作る法律、内閣が作る政令などや、内閣が結んで国会が承認する条約などです。
ちなみに、慣習法とかの、制定法でないものは、不文法といいます。

日本は制定法の国なので、慣習法などは、制定法の下になるのが基本ですし、判例は判例法という法源にはならないはずです。
ただ、ドイツやフランスは裁判官を信用しない傾向があって、とにかく法律を細かく決めます。
日本は、判例で補っている部分がかなり多くて、一種の判例法があるといっても、全然おかしくありません。

なんか、難しい話ですね(@_@)
なんで難しいのかな、と。
「三権分立をどう考えるのか」「民主主義をどう考えるのか」というような、根本の問題が、底にあるから難しいのです。
三権分立って、何だか本当に知ってる?に詳しく書きました。

前にも書いたこと(弁護士や裁判官は、六法全書を丸暗記してるって、本当?)ですが、「法律の条文を読めば、憶えれば、法律家が勤まる」なんてことは、日本を含めたどこの国にも存在しないことだ、ということはわかっていただけるでしょうか?

ちなみに、一応言っておきますと、商法の分野では、強行規定以外のことでは、民法より商慣習が上だったりします。

商法

(趣旨等)
第一条  商人の営業、商行為その他商事については、他の法律に特別の定めがあるものを除くほか、この法律の定めるところによる。
2  商事に関し、この法律に定めがない事項については商慣習に従い、商慣習がないときは、民法 (明治二十九年法律第八十九号)の定めるところによる。

ややこしいですね。

グリムから、ここまで話を引っ張るのってどうよ?って人もいるかもしれませんが、導入から中味、結論にいたるまで、確信犯のもっとんなのでした (^o^)v

こんな長い文章を最後まで読んでいただいて、本当にありがとうございますm(_ _)m




 

法律によって、「人」の意味もいろいろ。(脳死についても書きました) 法律の解釈って、どんなの?

法律の解釈の話をしようと思います。


法律の解釈の話はややこしいのが多いので、

簡単で、なじみやすい話をします。


法律で「人」の意味です。


法律や条文によって、その条文の趣旨にあった解釈が有りますので、

法律によって、場合分けします。



まずは、刑法から


犯罪と犯罪に対応する刑罰が、書いてあれば、刑法です。

刑法は、「刑法」という名前の法律の他にも、いろんな法律にあります。


刑法の解釈は、シビアにしなければいけません。


あらかじめ、何が犯罪か知らされていない、とか、あいまいだったりして、普通に生活していたつもりが、いきなり、それは犯罪だ、と言われたら、困るでしょう?

「殺人」とか「窃盗」なら、わかりやすいですけど、

悪いことだけど犯罪ではない、とか、外国では犯罪ではないけど、日本だと犯罪とか。



刑法は、「犯罪と刑罰を、法律ではっきりさせとかなければいけない」、っていう原則が有ります。

罪刑法定主義といいます。

せっかく法律で決めても、テキトーに広げた解釈をされると困るので、普通の人がわかる言葉の範囲で解釈しましょう、ってことになっています。日本の裁判所の解釈はもうちょっと広かったりしますが(^o^;

このように、罪刑法定主義は自由主義からの意味があります。むずかしいですか?

そして、国会で法律にすることで、民主主義からの意味もあります。


これは、刑法全般の話です。
 

具体的な話がわかりやすいですし、「人」と一口に言っても、条文によりますので、

重過失致死傷、傷害、傷害致死、殺人などの被害者(傷を負ったり、殺されちゃったり)の「人」とは何か? って話をしましょう。


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(殺人)

第百九十九条  人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

(傷害)

第二百四条  人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

(傷害致死)

第二百五条  身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。

(過失傷害)

第二百九条  過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。

 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

(過失致死)

第二百十条  過失により人を死亡させた者は、五十万円以下の罰金に処する。

(業務上過失致死傷等)

第二百十一条  業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

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まず、この場合の人は生身の人間ですね。(法人とかではない、ってことです)
そして、チンパンジーとかはだめです。


人間と人間でないのの境目を考えれば良いのですが、なんでしょう?


生まれたときと、死んだときを考えれば、良いわけです。




まずは、生まれたとき

人が生まれる前、お母さんのお腹に入っている状態のことを胎児といいますね。

胎児を殺したり、、産むより早く流産させると、堕胎罪(だたいざい)という罪になります。殺し方や故意か過失かでも犯罪の種類が別れますが。


生まれたかどうか=「胎児」が「人」になったかどうかの区別は、堕胎罪と殺人罪を区別することになります。


堕胎も相当ひどい犯罪ですが、殺人などよりは刑罰がだいぶ軽いので、区別は重要です。



刑法 第二編 罪

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  第二十九章 堕胎の罪


(堕胎)

第二百十二条  妊娠中の女子が薬物を用い、又はその他の方法により、堕胎したときは、一年以下の懲役に処する。

(同意堕胎及び同致死傷)

第二百十三条  女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させた者は、二年以下の懲役に処する。よって女子を死傷させた者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

(業務上堕胎及び同致死傷)

第二百十四条  医師、助産師、薬剤師又は医薬品販売業者が女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させたときは、三月以上五年以下の懲役に処する。よって女子を死傷させたときは、六月以上七年以下の懲役に処する。

(不同意堕胎)

第二百十五条  女子の嘱託を受けないで、又はその承諾を得ないで堕胎させた者は、六月以上七年以下の懲役に処する。

 前項の罪の未遂は、罰する。

(不同意堕胎致死傷)

第二百十六条  前条の罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

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では、殺人罪や傷害罪とかの「人」は、どこからか。

お母さんのお腹から少しでも出て、直接攻撃できるようになったときです。

(一部露出説です。判例です。)

こんなことするバカがいるとは思えませんが、法律学者とかは、こういうことをマジメに話しちゃうのです。因果な学問ですね(^_^;)

目的をわからず面白がっている法律オタクは嫌ですよね。

私、もっとんも、こういうことを書いていて、いっしょにされると、困りますが (^o^;




では、次の境目、人間が人間でなくなるとき、つまり、死んだとき


「人」か「死体」かの区別は、

ナイフで突いた場合は、傷害または殺人 か 死体損壊 のどちらかの問題。

穴に埋めた場合は、殺人(生き埋め) と 死体遺棄 のどちらかの問題。


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   第二十四章 礼拝所及び墳墓に関する罪 (188条~192条)


(死体損壊等)

第百九十条  死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する。

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死体損壊と死体遺棄は同じ条文です。墓に入っている死体については別の条文です。


では、「どういうときに死んだと言えるか」です。


3つの徴候(呼吸停止、心臓停止、瞳孔拡散)があったときです。

正確には、呼吸と、心臓には、不可逆的(ふかぎゃくてき)という言葉がつきます。

なんか、難しい言葉ですが、後戻りできないってことです。

瞳孔拡散(どうこうかくさん)、って言葉も難しいですね。

生きている人は、まぶしいと瞳孔が小さくなります。

これが開きっぱなしになるってことです。


病院で人が亡くなった場面に居合わせると経験しますが、お医者さんが、確認しているはずです。

特に、瞳孔拡散は、機械とかに頼らず、お医者さんが、目を開けて、光を当てるでしょう?


今までこの解釈でやってきましたし、今もこの解釈でやっています。


でも、問題が起きました。


脳死と臓器移植です。


まず、脳死とは何か、について説明します。

(知ってる方は読み飛ばして下さい。法律の話ではないので)


もっと詳しくは、日本臓器移植ネットワークのページを見て下さい。脳死と植物状態


脳は、大脳、小脳、脳幹に別れます。さらに、間脳が有ったり、脳幹がさらに3つに別れたりです。

植物状態についても誤解があるかもですが、大脳が死んでるかほとんど機能していなくて、脳幹だけ生きている。呼吸、心臓などが、自分でできています。


脳幹っていうところは、生命を維持する最低限のことを、勝手にやってるところで、これが死んじゃうと、完全にアウトです。


昔は、脳死とか気にしなかったのです。

なぜかっていいますと、3つの徴候は、(比較的)簡単に確認できるし、3つの徴候があれば、多少の時間差はあっても、完全に死んじゃいますので。


ところが、医療機器が発達した今の世の中、病院に運ばれた患者さんが、頭とか打ったりとか病気とかで脳にダメージがあって、相当弱った状態で運ばれて来て、呼吸が弱っているから、生命維持装置(人工呼吸器など)をつけなきゃ、ってなるわけです。

それで、めでたく回復すれば、良いんですが、運悪く、そのまま、脳幹を含めた脳全体が死んでしまうことがあるわけです。脳幹死=全脳死=脳死。

生命維持装置がつけっぱなしなので、呼吸はしていて、心臓が動いたままなのです。身体が死んでいないのです。生命維持装置をはずすと身体も死にます。

そのままほうっておくと、結局は、ふつう、数日で死んでしまうのですが。


結局、3つの徴候は無いけど、脳が死んでる、という状態=脳死が生まれます。


脳死の説明は、ここまで----------------------------------



脳死したって、ほうっておけばいいじゃんか、と。

そのまま、放置をして、身体も死ぬのを待てば、いいじゃんか、と。

あるいは、生命維持装置をはずしてしまえばいいじゃんか、と。

(表現が露骨ですみません)


ところが、ここで、問題が生まれます。


もし、脳死が死でないと、生命維持装置をはずした医者は殺人罪になるのです。

(じき死んじゃうにしても、はずしてすぐ死んじゃいますから)

家族に頼まれてやった場合は、家族は、殺人教唆です。


でも、今は、臓器移植やっていますよね?

法律はどうなっているのでしょうか?


1997年に法律ができました。普通は、臓器移植法と呼ばれています。


臓器の移植に関する法律

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(臓器の摘出)

第六条  医師は、次の各号のいずれかに該当する場合には、移植術に使用されるための臓器を、死体(脳死した者の身体を含む。以下同じ。)から摘出することができる。

 死亡した者が生存中に当該臓器を移植術に使用されるために提供する意思を書面により表示している場合であって、その旨の告知を受けた遺族が当該臓器の摘出を拒まないとき又は遺族がないとき。

 死亡した者が生存中に当該臓器を移植術に使用されるために提供する意思を書面により表示している場合及び当該意思がないことを表示している場合以外の場合であって、遺族が当該臓器の摘出について書面により承諾しているとき。

 前項に規定する「脳死した者の身体」とは、脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に停止するに至ったと判定された者の身体をいう。

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臓器移植をするために、医者は、死体から臓器を取り出して良いですよ。(条件付きですけど)

その「死体」っていうのには、「脳死」した人も含みますよ。


となっているわけです。


もし、この条文が無いと、脳死して、身体が生きている=三徴候説では「人」から臓器を取り出すと殺人罪なのです。

取り出しても死なない臓器(腎臓の片方、骨髄など)は、ドナーを募って、生体移植しますが。

脳死だと、そういう臓器でも、身体がまいっちゃうかもですが。


刑法の総論の話ですが、

脳死の場合、無罪になるにしても、2つの論理構成が考えられます。、

そもそも、殺人罪に当たらないのか(構成要件に該当しない)、

それとも、一応形は殺人罪になるけれども(構成要件に該当する)、違法性が無い、結局犯罪ではない(無罪)になる。


実務でやっているように、ふだんは三徴候説で、臓器移植のときだけ脳死説だと、刑法199条の「人」の意味が2つあることになってしまいます。

条文は、どちらともとれる書き方ですね。死とは何か、という議論を避ける狙いが有ったと思います。西洋と違って、日本では、割りきって考えることができなかったようです。
ずいぶん、反対も多く有ったようでした。西洋よりだいぶ法律の整備が遅れました。

医療関係者や脳死者の家族、臓器を必要とする患者を、相当悩ませてしまいました。

結局、議員立法でやっと成立しました。(内閣提出法案ではなく、議員が提案してできる法律)


余談ですが、脳死でなくて、3つの徴候が現れた後の死体も、臓器を取り出して、移植することがあります。6条もそれを想定しています。
角膜なんかは昔からやっていますね。

脳死したばかりの死体の臓器の方が新鮮で良い(臓器によっては死んじゃう)のですが、そこまで新鮮でなくてもできる臓器移植もあるということです。


刑法の殺人とかの話なので、表現が露骨で、すみませんでしたm(_ _)m

窃盗とか詐欺とか放火の話にしようかと思ったのですが、ものすんごく難しいので。





次に、民法で「人」とは何か? という話です。


以前、法人って、団体のこと? で簡単に説明しましたね。

普通の人間=自然人

法律上でっちあげた人=法人

両方、あわせて、民法上「人」です。

と、言いました。


今日は、自然人(狭い意味での人)の説明をします。


民法 第一編 総則 第二章 人

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   第一節 権利能力

第三条  私権の享有は、出生に始まる。

 外国人は、法令又は条約の規定により禁止される場合を除き、私権を享有する。

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この第1節は、この第3条しかありません。


権利能力というのは、権利があったり、義務があったりできるということです。


第3条1項に「私権」という言葉が出てきますが、民法とか商法(私法)での権利のことです。

民法を知らないとさっぱりわからないじゃないかっ、という話ですね。

民法は、財産権身分権(家族関係の権利)を決めています。

他に、人格権もあります。
財産権の一種で、社員権(株主の権利などのこと)もあります。
社員権については、会社員とは何か?会社の構成員(メンバー)?

商法も財産権についてですね。
私法=民法+商法です。

上の説明を読んでも、さっぱりわからないかも知れません。すみません。

民法については、国民に一番身近な法律なのに知られていないので、別の機会に書きます。


それで、いよいよ本題。


「私権の享有は、出生に始まる。」は、

私法上の権利義務は、生まれたときから、持てるようになります。ということです。

生まれたら、「人」ってことです。法律用語で、「権利能力がある」といいます。

権利を得たり、義務を負ったりは、契約とかでできますが、これは、行為能力といいまして、未成年とかは大人と同じではありませんね。未成年については、成人って何? 成人の日だし。18歳選挙権ももうすぐ始まるし。で説明しました。(他にも行為能力の無い人もいます。)


この場合、刑法と違って、ちゃんと外に全部出て、自分で息を始めたら、出生です。

この辺、微妙に学説が別れていますが。民法の条文に書いていないのが悪いのです。


赤ん坊に権利があるとか言ったってしょうがないじゃん。とか思うかも知れませんね。

でも、

生まれると、相続ができますよね。


ここで、賢い人は考えるわけです。

「だって、お父さんとかが死んじゃうのが早いか、子供が生まれるのが早いかで、相続の仕方が変わってきちゃうなんて」と。

「所詮、法律なんてそんなもんよ。」と言う人もいるかも知れませんが、

日本の法律はそうなっていません。


相続損害賠償について、例外が有ります。



一つ目の例外 相続について。


民法 第五編 相続 第二章 相続人

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(相続に関する胎児の権利能力)

第八百八十六条  胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。

 前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、適用しない。

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1項にある「みなす」というのは、本当はそうじゃないけど、そういうことにしちゃいましょう、っていうことです。

胎児は、相続の話をするとき限定で、生まれちゃってることにしましょう=相続できちゃうことにしましょう。

ただ、かわいそうに、死産(出てきたときに死んでた)だと、元も子もないので、原則通りしなかったことにしましょう(2項)

となっています。


2つ目の例外 損害賠償について


たとえば、普通は、だれかがケガをしたとき、ケガをした被害者本人が、加害者に対して「治療費払え」「会社休んだ分の給料払え」「精神的損害を負ったから慰藉料(いしゃりょう)払え」と言います。

ところが、だれかが死んだ場合、家族が、
1.(相続した遺族の場合)相続した損害賠償を請求。
2.遺族自身の損害賠償を請求。


胎児も、そういう場合に、損害賠償請求権がある、っていうのが、この条文です。


民法 第三編 債権 第五章 不法行為

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(損害賠償請求権に関する胎児の権利能力)

第七百二十一条  胎児は、損害賠償の請求権については、既に生まれたものとみなす。

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この2つの例外の話も、学説が分かれます。

相続の例外の話は、

生まれたときに、相続が確定するんだ、っていう説と

死産・流産だったときに、相続しなかったことにするんだ、っていう説


損害賠償請求権の例外の話は、

うまれたときに、損害賠償請求権が確定するんだ、っていう説

死産・流産だったときに、損害賠償請求権が無かったことにするんだ、っていう説


何のために、こんな話をするかといいますと、相続権が発生したとき(被相続人が死んだとき)と損害賠償請求権が発生したとき(近親者が死んだとき)に、胎児でも大丈夫なんですが、

生まれる前(胎児のうち)に手続きを進められるかどうか、が違ってくるんです。


今までは、判例・通説とも、一応、認めるにしても、生まれたら初めてできることになる、っていう説をとっていました。

この説の場合、

相続の場合は、遺産分割をするのは、生まれた後まで待たなければいけない。

損害賠償請求は、請求するのを、生まれるまで待たなければいけない。


ところが、死産・流産だったとき、無かったことにする説だと、

生まれる前に、遺産分割をして、死産・流産だったら、遺産分割しなおす。

生まれる前に、損害賠償請求して、死産・流産だったら、引っ込める。もらってたら返す。

とかいうことになります。


昔は、死産も多かったので、判例の考えでも良かったかもしれませんが、今は、死産が少なくなっているので、考え方を変えた方が良いという学者が多いです。


次に、民法で、人でなくなる場合


死んだら、人でなくなります。

権利能力が無くなります。条文はありません。
昔の学者は、当たり前のことは条文に書かないで良い、と思っていたようです。


相続が開始されます。死んだ人(被相続人)から子供とか奥さんとかに相続されます。(相続人) 


第五編 相続 第一章 総則 の最初の条文です。

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(相続開始の原因)

第八百八十二条  相続は、死亡によって開始する。

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婚姻(結婚)は解消です。(いわゆる、「死別」ですね)

委任契約も終わります。委任者、受任者どちらでも。(653条) 


他にもいろいろ有りますが、キリが無いし、ちょっと難しいのでやめます。

簡単に言いますと、死んでも終わらないものは、相続されることになります。 



死亡について、一つ、例外的なものとして、
失踪宣告があります。


失踪宣告っていうのは、どっか行っちゃったまま行方不明とか、事故とかで行方不明とかの場合に、ある程度たった後、家族とか契約関係にある人との間で、死んだことにしましょう、っていう制度です。(民法 第一編 総則 第三章 人 第四節 不在者の財産の管理及び失踪の宣告 の後半に条文があります。)

周りの人は、帰ってくるまで、再婚もできない、財産を管理しなきゃいけないでは大変ですから。

どこかで、生きていた場合、本人は、もちろん、法律上「人」のままです。

失踪宣告で死んだことになった後に帰ってきたりすると、面倒くさいことになります。

この辺も条文に書いてあります。

昔、沢口靖子さん主演のNHK朝ドラ「澪つくし」で、こういうストーリーがありました。


次の第五節は1条しかありません。

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第五節 同時死亡の推定

第三十二条の二  数人の者が死亡した場合において、そのうちの一人が他の者の死亡後になお生存していたことが明らかでないときは、これらの者は、同時に死亡したものと推定する。

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赤の他人なら問題が無いのですが、

もし、家族・親戚が、ほぼ同時に死んだ場合、

順番によっては、

ある人は相続人になり、ある人は相続人でなくなる、とか、

相続分が増えたり、減ったり、ってことになるのです。


だから、わからないときは、同時にしましょう、ってしました。

条文にある「推定する」っていうのは、「もし、反対の証拠が無かったら、そういうことにしましょう」という意味です。

この場合は、同時でない証拠、順番がわかる証拠が無かったら、という意味ですね。



もう一つ、失踪宣告と似たものに、認定死亡があります。

戸籍法の条文です。

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第八十九条  水難、火災その他の事変によつて死亡した者がある場合には、その取調をした官庁又は公署は、死亡地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。但し、外国又は法務省令で定める地域で死亡があつたときは、死亡者の本籍地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。

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あくまでも、戸籍法という手続きの法律の話なのですが、

民法上死亡したと同じになって、婚姻は解消、相続が始まる、という効果があります。

死亡の確認がちゃんととれなくても、死亡しただろうと十分考えられる状況があった場合は、OKと解釈されて、運用されています。

2011年の東日本大震災のときも、この制度が使われました。

条文を比べるとわかりますが、失踪宣告よりも、面倒が無いです。
大きな事故や災害のときしか使えませんが。



ごあいさつ

いつも、長い文章を読んでいただきまして、ありがとうございます。


「法律の解釈の話はややこしいのが多いので、
簡単で、なじみやすい話をします。」と書きましたが、十分ややこしかったですねm(_ _)m

法律の解釈って、ややこしくて、
・日本語として読んだだけではわからないのね、
・背景にある知識があるだけでも、わからないのね、
ということがわかってもらえれば、目的達成なのでした。

前から、書こうと思ったテーマで、最近下書きはできていました。 昨日、脳死がキーワードになるニュースがあったので、急いで仕上げて、投稿した次第です。 亡くなられた少女のご冥福をお祈りするとともに、移植を受けられる方々の健康をお祈りします。 




 

成人って何? 成人の日だし。18歳選挙権ももうすぐ始まるし。

今年は、1月11日が成人の日でした。ハッピーマンデー(昔決まってた祝日の日付を常に月曜日にしてしまう)おそるべし。ハッピーマンデーについては、祝日について書いた投稿を参考にして下さい。

1月11日は、自分の誕生日なので、つい期間計算の話を書いてしまいましたが、
18歳から選挙ができることになった今、とてもホットな話題である「成人」について書きませんと。


まず、一般用語で、「成人」とは、心身が十分に成長した人、のことです。


次に、法律で成人とか成年とは何か、です。


憲法にも法律にも出てきますが、法律によって、違います。



まず、民法から。

普通に、成年か未成年かが、問題になるのは、民法です。


民法 第一編 総則 第二章 人 第二節 行為能力

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(成年)

第四条  年齢二十歳をもって、成年とする。

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普通は、20歳からですね。外国は21歳がすごく多いです。


法人って団体のこと?でも書きましたが、生まれたら、人間は人(民法でいう人)なので、権利や義務が有ったりできます(権利能力っていいます)。


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   第二章 人

    第一節 権利能力

第三条  私権の享有は、出生に始まる。

 外国人は、法令又は条約の規定により禁止される場合を除き、私権を享有する。

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でも、未成年だと保護者(親権者や未成年後見人)の同意が無いと、ローンを組んだりできませんよね?(条文には法定代理人って書いてありますね。)

この自分で権利を得たり義務を負ったりするようにすることを法律行為(契約など)というんですが、これを一人前にできないんです。(行為能力が制限されています)
「なんでか」って言いますと、子供はおバカなので(賢い未成年の方すみません)、 自分の財産などについて、おバカ(たびたびすみません。)なことをやっちゃって、本人が困るからです。

ちなみに未成年が成年と違った扱いを受けるのは、「未成年を守るため」 がほとんどです。
未成年より大人が偉いというわけでは、全然ありません。
他の投稿にも書きました。
生徒の政治活動。子供の人権は大人と違うのか


5条と6条に原則と例外が書いてあります。

さらっと読んで下さい。

6条は、未成年が商売をやっていいって言われた場合の話です。


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(未成年者の法律行為)

第五条  未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。

 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。

 第一項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。

(未成年者の営業の許可)

第六条  一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。

 前項の場合において、未成年者がその営業に堪えることができない事由があるときは、その法定代理人は、第四編(親族)の規定に従い、その許可を取り消し、又はこれを制限することができる。

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民法で、未成年でも結婚できるって書いてありますよね。親の許しが必要ですけど。


第四編 親族 第二章 婚姻 第一節 婚姻の成立 第一款 婚姻の要件

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(婚姻適齢)

第七百三十一条  男は、十八歳に、女は、十六歳にならなければ、婚姻をすることができない。

(未成年者の婚姻についての父母の同意)

第七百三十七条  未成年の子が婚姻をするには、父母の同意を得なければならない。

 父母の一方が同意しないときは、他の一方の同意だけで足りる。父母の一方が知れないとき、死亡したとき、又はその意思を表示することができないときも、同様とする。

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結婚できるのは良いにしても、所帯持ちが、いちいち親に聞かないと、いろいろできないんでは、まともに家庭生活ができないですよね?


ですから、民法では成年になってしまうんです。


第二節 婚姻の効力

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(婚姻による成年擬制)

第七百五十三条  未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。

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「みなす」っていうのは、法律用語で、本当は違うんだけども、そうしちゃう、っていう意味です。

見出しに書いてある「擬制」も同じ意味です。


民法では、他に、不法行為の場合がありますが、後回しにします。



憲法です。いよいよ選挙権の話です。


第三章 国民の権利及び義務 第15条2項ですね。

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公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。

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「成年者って書いてあるから、民法の原則通り、20歳だ」っていうのは、大きな間違いなのです。

憲法は最高法規です。民法より上なのです。だから、民法を基準に憲法を解釈することはやっちゃだめなのです。

じゃあ、何歳か。

国会が法律で決めて良いのです。なので、民法とリンクしません。


第四章 国会 第44条です。

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両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によつて差別してはならない。


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これを決めた法律が、公職選挙法です。

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  第二章 選挙権及び被選挙権

(選挙権)

第九条  日本国民で年齢満二十年以上の者は、衆議院議員及び参議院議員の選挙権を有する。

 日本国民たる年齢満二十年以上の者で引き続き三箇月以上市町村の区域内に住所を有する者は、その属する地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する。

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3項から5項は省略。年齢とか関係無い条文なので。


改正前の条文です。

今までは20歳以上だったのが、最近、18歳以上になったのです。

条文の1項と2項それぞれ、「二十」の所が、「十八」になります。

今年、平成28年(2016年)6月19日から、新しい条文がスタートします(施行)。

総務省のページに詳しく書いてあります。


あと、選挙人名簿に登録してもらう資格についての条文も改正です。


この18歳選挙権を決める議論の中、民法や少年法なども合わせるべきだ、っていうことを言った人が結構多くいたらしいのですが、結局、選挙権だけになりました。

法律の目的が違うのですから、そろえる必要は、全然無いのです。

実際、海外では、かなり多くの国が、選挙権は18から、民法では21から、としています。


被選挙権(選挙される権利、立候補できるってこと)の話は、もうちょっと上の歳(25とか30)からになっています。




次は、公営ギャンブルです。


競馬法自転車競技法小型自動車競走法モーターボート競走法

どの法律も、条文に、「未成年者」は、馬券などを、買ったり、もらったりしてはだめ、って書いてあります。


この場合の未成年は、民法の未成年と同じなので、結婚していれば、馬券を買ったりしてもOKです。


次に、たばこです。


たばこは、未成年者喫煙禁止法は、満20歳未満は、だめ、と書いてあります。

お酒も、未成年者飲酒禁止法で、同じ書き方をしています。

両方の法律とも、題名は「未成年」と書いていますが、条文では、年齢で書いています。

結婚してても、だめなのですね。(法律の趣旨からしたら当然ですね)

古い法律ですし、未成年者に禁ずる書き方ですが、目的は未成年者の保護です。
若い人の飲酒喫煙は身体に悪いとかが理由です。
だから、未成年者に罰則は有りません。
ちなみに、飲ませた人とかには罰則が有ります。


次は風俗店です。エッチな店だけでなく、普通のキャバクラとか、麻雀屋、パチンコ屋とかもですよ。


風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

風営法とか、風俗営業法、って略されている法律です。こういう長い名前って官僚の趣味としか思えん。だって、こんな長いのだれも使わないから知らないもん。

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(年少者の立入禁止の表示)

第十八条  風俗営業者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、十八歳未満の者がその営業所に立ち入つてはならない旨(第二条第一項第八号の営業に係る営業所にあつては、午後十時以後の時間において立ち入つてはならない旨(第二十二条第五号の規定に基づく都道府県の条例で、十八歳以下の条例で定める年齢に満たない者につき、午後十時前の時を定めたときは、その者についてはその時以後の時間において立ち入つてはならない旨))を営業所の入り口に表示しなければならない。

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18歳からOK。18歳未満はだめ、という書き方です。

これも、年齢で決まっているんですね。

出入り禁止の貼り紙がはられちゃいます。


フーゾク、っていうと、エッチな店だと思う人がけっこういます。または風営法の店全般とか。

風俗という言葉は「一つの時代とか、一つの社会とかの、人の生活の様式、風習」のことで、みんなが、どんな家に住んで、何を着て、何を食べるか、っていう話です。


次は、さっき後回しにした、民法不法行為の場合です。

うっかり他人の物を壊しちゃったとか、車で人をひいちゃった、とか、人を殴って怪我させちゃったとか、そういう場合に、被害者に損害を賠償しないといけません。大人は。


第三編 債権 

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 第五章 不法行為

(不法行為による損害賠償)

第七百九条  故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

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でも、たとえば、4歳の子供に、他人の物を壊したお前が悪い、弁償しろ、って言っても、かわいそうだし、お金を持ってないし。

そもそも、親がちゃんと見ていなかったの?って話ですよね?


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(責任能力)

第七百十二条  未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。

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自分がやっていることをわかっているかどうか、っていう話です。

一律に年齢が決まっているわけではないのです。

ケースバイケースです。

子供が払わない場合は保護者が払うことになります。

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(責任無能力者の監督義務者等の責任)

第七百十四条  前二条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。

 監督義務者に代わって責任無能力者を監督する者も、前項の責任を負う。

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次は、刑法です。


犯罪を犯すと刑罰を課されます。

でも、民法の場合と同じで、3歳児が近所の子を殴って怪我をさせたから傷害罪で懲役とか罰金って、おかしいでしょう?


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(責任年齢)

第四十一条  十四歳に満たない者の行為は、罰しない。

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民法の不法行為と違って、一律です。

子供によって成長が違うし、そもそも刑罰以外の方法で対処したほうが良いからです。

(民法709条は被害者がお金をもらえないと意味が無いのですが、刑罰を課す課さないは被害者の損得に関係無いのです。)


少年法は、この方針で、さらに対象を広げています。

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(少年、成人、保護者)

第二条  この法律で「少年」とは、二十歳に満たない者をいい、「成人」とは、満二十歳以上の者をいう。

 この法律で「保護者」とは、少年に対して法律上監護教育の義務ある者及び少年を現に監護する者をいう。

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20歳未満は「少年」(少女でも少年) 

全部、家庭裁判所に送られます。

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(司法警察員の送致)

第四十一条  司法警察員は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、罰金以下の刑にあたる犯罪の嫌疑があるものと思料するときは、これを家庭裁判所に送致しなければならない。犯罪の嫌疑がない場合でも、家庭裁判所の審判に付すべき事由があると思料するときは、同様である。

(検察官の送致)

第四十二条  検察官は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があるものと思料するときは、第四十五条第五号本文に規定する場合を除いて、これを家庭裁判所に送致しなければならない。犯罪の嫌疑がない場合でも、家庭裁判所の審判に付すべき事由があると思料するときは、同様である。

 前項の場合においては、刑事訴訟法の規定に基づく裁判官による被疑者についての弁護人の選任は、その効力を失う。

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家庭裁判所が、調査やって少年審判をやって、保護処分保護観察,少年院送致,児童自立支援施設等送致)っていうのが原則です。

家庭裁判所が、刑事裁判が良いと思えば、検察官に送られて、起訴されると、普通の刑事裁判になります。(逆送)

(送致のときに16歳以上でないと、検察官に送致できませんが)

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(検察官への送致)

第二十条  家庭裁判所は、死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の事件について、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは、決定をもつて、これを管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない。

 前項の規定にかかわらず、家庭裁判所は、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件であつて、その罪を犯すとき十六歳以上の少年に係るものについては、同項の決定をしなければならない。ただし、調査の結果、犯行の動機及び態様、犯行後の情況、少年の性格、年齢、行状及び環境その他の事情を考慮し、刑事処分以外の措置を相当と認めるときは、この限りでない。

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刑事裁判になって、懲役刑とか禁錮刑になったとき、刑務所に入ることになります。

この場合、男子の少年は、少年刑務所に入ります。

少年刑務所は、刑務所の一種で、少年用に作った刑務所です。少年でない若い受刑者も多いそうです。中で分けていますが。

女子の少年刑務所は無いそうです。

間違えている人がいるかも知れませんが、少年院と少年刑務所は違います。

少年院は少年法の保護処分の一つ。少年刑務所は、懲役刑や禁錮刑を受ける少年用のもの。



刑事裁判になって有罪になったときでも、犯罪時18歳未満の少年の場合、重い刑罰は、軽くなります。

死刑→無期。 

無期→10年以上20年以下の有期懲役、有期禁錮

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(死刑と無期刑の緩和)

第五十一条  罪を犯すとき十八歳に満たない者に対しては、死刑をもつて処断すべきときは、無期刑を科する。

 罪を犯すとき十八歳に満たない者に対しては、無期刑をもつて処断すべきときであつても、有期の懲役又は禁錮を科することができる。この場合において、その刑は、十年以上二十年以下において言い渡す。

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また、懲役刑になる場合、少し範囲を決めて刑期をピッタリ決めないようにします(相対的不定期刑)。その少年の状態に臨機応変に合わせるためです。全然決めないとかわいそうなので、限度があるのです。


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(不定期刑)

第五十二条  少年に対して有期の懲役又は禁錮をもつて処断すべきときは、処断すべき刑の範囲内において、長期を定めるとともに、長期の二分の一(長期が十年を下回るときは、長期から五年を減じた期間。次項において同じ。)を下回らない範囲内において短期を定めて、これを言い渡す。この場合において、長期は十五年、短期は十年を超えることはできない。

 前項の短期については、同項の規定にかかわらず、少年の改善更生の可能性その他の事情を考慮し特に必要があるときは、処断すべき刑の短期の二分の一を下回らず、かつ、長期の二分の一を下回らない範囲内において、これを定めることができる。この場合においては、刑法第十四条第二項 の規定を準用する。

 刑の執行猶予の言渡をする場合には、前二項の規定は、これを適用しない。

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20歳未満は「少年」として違った扱いをしているのは、分かったけれども、

頭の良い人は、14歳未満の子供、たとえば、12歳の子供が、殺人をした場合、その子供を放っておくのか?って思いますよね?


昔、そういうドラマを見た記憶が有ります。

殺人犯の子供が遊んでるのを見て、今の法律では何もできないんですよ、と話している場面で終わります。私も子供でしたが、そんなことあるの?と思いました。


そんなわけないでしょう?

そのドラマを作った人はどんだけあほなんだ?放送局も。


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  第二章 少年の保護事件

    第一節 通則

(審判に付すべき少年)

第三条  次に掲げる少年は、これを家庭裁判所の審判に付する。

 罪を犯した少年

 十四歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年

 次に掲げる事由があつて、その性格又は環境に照して、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をする虞のある少年

 保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。

 正当の理由がなく家庭に寄り附かないこと。

 犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、又はいかがわしい場所に出入すること。

 自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。

 家庭裁判所は、前項第二号に掲げる少年及び同項第三号に掲げる少年で十四歳に満たない者については、都道府県知事又は児童相談所長から送致を受けたときに限り、これを審判に付することができる。

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さっきまでの話は、第3条の第1項1号です。


14歳未満の子供は、2号に当たります。触法少年といいます。

2項にあるように、いったんは、児童相談所などに預けることになっていて、児童相談所などから家庭裁判所に送られてくると、少年審判になります。そして、保護処分(保護観察,少年院送致,児童自立支援施設等送致)になるかもしれません。


1項3号に書いてあるように、犯罪をした少年と触法少年以外、つまり、犯罪をやっていない少年が、家庭裁判所で、少年審判になって、保護処分(保護観察,少年院送致,児童自立支援施設等送致になることがあるのです。(虞犯少年(ぐはんしょうねん)

少年が得する方向でばかり少年法の話をする人が多いですが、実は、少年の方が大人よりも大変な場合があるのでした。一応、少年法の理念としては、少年のためなのですが。


1項3号のイとニに「性癖」という言葉があります。「くせ」「習慣」くらいの意味です。エッチな意味は有りません。

こんなことばかり言ってると、私の人格が疑われかねませんが、このブログのターゲットがいかに広いか、私の目的がなんであるかを考えていただければ幸いです。まあ、スケベでないとは言いません テヘ



他にも、たくさん有ると思いますが、この辺でやめておきます。長くなりまして、すみません。

詳しすぎます?







法律での日数とかの数え方

私、もっとんは、今日、1月11日、45歳になりました。


そこで、今日は、法律で、日数や月数、年数を数えるとき、そして、年齢を数える場合などの例外について書きます。


まず、普通の数え方


民法 第一編 総則 第六章 期間の計算 です。


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  第六章 期間の計算

(期間の計算の通則)

第百三十八条  期間の計算方法は、法令若しくは裁判上の命令に特別の定めがある場合又は法律行為に別段の定めがある場合を除き、この章の規定に従う。

(期間の起算)

第百三十九条  時間によって期間を定めたときは、その期間は、即時から起算する。

第百四十条  日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。

(期間の満了)

第百四十一条  前条の場合には、期間は、その末日の終了をもって満了する。

第百四十二条  期間の末日が日曜日、国民の祝日に関する法律 (昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日その他の休日に当たるときは、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、期間は、その翌日に満了する。

(暦による期間の計算)

第百四十三条  週、月又は年によって期間を定めたときは、その期間は、暦に従って計算する。

 週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。

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条文そのままなので、特に解説する必要が無いかも知れません。

でも、ちょっと言い回しがわかりづらいかもなので、ポイントを整理しておきます。


・原則と例外(138条)


原則は、この民法のこの章、139条から143条の通りです。

ただし、例外が2つ。

例外1 他の法令(法律や命令など)や裁判で、他の決めごとがある場合

例外2 法律行為(契約など)で、他の決めごとをしている場合


・期間の起算=期間の始まり(139条、140条)

 時間で決めたときは      → その時刻から

 日、週、月、年で決めたとき →  その初日は計算に入れない。(午前0時からならぴったりだから入れる)

                     (例1 5日が初日で、10日間と決めたら、15日が最終日)                        (例2 10月5日が初日で、1年間と決めたら、翌年10月5日が最終日)

「初日不算入の原則」といいます。


・期間の満了=期間の終わり(141条、142条)

時間でなく、日、週、月できめたとき → 最終日の終わり(午後12時)が終わり

終わりの日が日曜祝日のとき、日曜祝日はお休みの商売のとき、(普通は、土曜や年末年始もお休みです。) → 次の日が最終日


・週とか月とかで期間を決めたときは、(143条1項)

暦(こよみ、と読む。日本語でカレンダーのこと)通りにする。


・年の初めからでないときは、起算日に対応した日の前日が終了日(143条2項本文)

 (例3 10月6日が起算日で、1年間と決めたら、翌年10月5日が最終日)


・対応する日がないときは、末日(143条2項ただし書き)

 (例4 12月31日が起算日で2ヶ月と決めたら、2月28日(うるう年なら、2月29日)が最終日)




他の法律で定める例外


例外も、それなりの数有るんですが、身近なものだけ確認しましょう。


年齢です。

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齢計算ニ関スル法律


年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス

民法第百四十三条ノ規定ハ年齢ノ計算ニ之ヲ準用ス

明治六年第三十六号布告ハ之ヲ廃止ス

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1条しかありません。だから、条文の番号もありません。

3項あります。


読みづらいですが、

1項は、初日不算入の原則はとりませんよ、です。

日の途中に生まれても、生まれた日から、計算です。

もし、初日不算入だと、1月11日生まれの私は、毎年、1月11日の午後12時に年をとることになります。

それじゃ変ですよね。先ほど、1月11日午前0時に、45歳になりました。

一応、念のため、言っておきますと、満年齢の数え方ですね。


余談ですけども、(読み飛ばしても良いです)

昔できた法律なので、カタカナで、句読点と濁点が無くて、言い回しが文語(古文)なのです。

民法の財産法の部分(第一編から第三編)も、少しの改正を除けば、ほとんど、明治に、最初に民法を作ったときのままなのです。(1896年公布、1898年施行)

ただ、国民に一番身近で大切な民法が、国民にわかりづらいのは良くないので、口語(現代文)に書き換えたんです。

つい最近ですけど。(2005年施行)

おそろしい国ですね。日本の国会はどれだけふざけているか。

ちなみに、刑法の口語化は、1995年です。

アメリカだったら、暴動が起きるレベルです。ちょっと大げさ?

まあ、アメリカは言葉は日本ほど変わっていないし、そもそも民法の条文が無いけど。

なんのことだかわからないかも知れませんが (^o^;

また、機会が有れば、書きます。


次に、クーリングオフです。


特定商取引法とか割賦販売法に書いてある、クーリングオフの期間です。

厳密に言うと例外ではないのかもしれませんが。

書面受領日から数えます。

多いのは8日間ですね。

書面受領日から8日間で、火曜に受領だと、次の週の火曜までに、解約(法律用語では解除)します、と言えば、間に合うことになります。

ちょうど1週間ですね。

クーリングオフの制度を決めた最初は、7日間だったのですが、次の週の火曜にできると思っていて、アウトになった人が多かったので、8日にしたそうです。


他にもいろいろありますが、きりが無いので、やめます。







 

不倫すると法律ではどうなるか?

芸能人が、不倫で騒がれていますね。


そのことはともかく、

不倫をすると、、法律上、どうなるか。


不倫、っていう言葉もいろいろな意味が有りますが(本来の意味は、人のみちからはずれたこと)、

結婚してる人が、連れ合以外の人とエッチしちゃった場合です。


まず、民事の話


離婚原因になります。


民法 第四編 親族 第一章 婚姻 第四節 離婚 第二款 裁判上の離婚に書いてあります。

707条1項1号不貞行為ですね。

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(裁判上の離婚)

第七百七十条  夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

 配偶者に不貞な行為があったとき。

 配偶者から悪意で遺棄されたとき。

 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

 裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。

------------------------------------------

項にあるように、1号に該当しても、離婚にならない場合もあるんですが、基本的には、離婚が認められます=離婚原因

1号で認められなくても、5号に書いてあるように、結婚が破綻している場合は、離婚を認めることになります。(1号~4号と書き方が違いますでしょう?)


裁判上の離婚、っていう見出しでもわかると思いますが、裁判所に離婚の訴えをできて、そして、認められるかもしれない、っていうことです。

協議離婚ができてしまえば、必要の無い条文ですね。

民法はそういう条文が多いですが。


ちなみに、訴えることができるとはいっても、ビミョーなのです。

こういう民法の家族法(親族、相続)の話は、家庭裁判所に訴えることになるんですが、裁判より先に調停をやって、それで決着がつかなかった場合だけ、裁判にします、ということになっています。


家事事件手続法です。

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(調停事項等)

第二百四十四条  家庭裁判所は、人事に関する訴訟事件その他家庭に関する事件(別表第一に掲げる事項についての事件を除く。)について調停を行うほか、この編の定めるところにより審判をする。

(調停前置主義)

第二百五十七条  第二百四十四条の規定により調停を行うことができる事件について訴えを提起しようとする者は、まず家庭裁判所に家事調停の申立てをしなければならない。

2項と3項は省略しました。

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もう一つ、

民法709条の不法行為になります。

そして、財産が損害を受けたのではなくて、精神的損害なので、710条の場合です。

みなさんご存じの慰謝料です。

ちなみに、この慰謝料って字は、当て字でして、本来は、慰藉料と書きます。読みは「いしゃりょう」です。

浮気をした配偶者と、その相手、両方に、損害賠償請求できます。


民法 第三編 債権 第五章 不法行為

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(不法行為による損害賠償)

第七百九条  故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

(財産以外の損害の賠償)

第七百十条  他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。

----------------------------------------

なぜ、この場合、709条の不法行為にあてはまるか、といいますと、

夫婦には、貞操義務があるからです。(夫婦以外の人とエッチしない義務)

この貞操義務は、法律の条文にストレートには書いていないのですが、上に書いた不貞行為が離婚原因になることや、重婚禁止(民法732条)や、同居協力扶助義務(民法752条)が有って、そもそも結婚って何?っていうところから、貞操義務が有って、不法行為になる、っていうように解釈されています。最高裁判所の判例です。戦前からの(大審院の)判例です。


結婚が戸籍だけのことで、実質は離婚してるも同然(長期間別居しているなど)、っていう場合は、認められなかったりします。



次は刑事の話


犯罪になるか、っていう話ですが、


外国では、犯罪になる国も有ります。

姦通(かんつう)罪といいます。

フィリピン、台湾など、の東南アジアの国や、イスラムの国(中東の国、マレーシア、インドネシアなど)

それから、アメリカの東部や南部の州。


日本では、

今は、犯罪になりません。


戦前は、犯罪になりました。


刑法の削除された183条です。

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有夫ノ婦姦通シタルトキハ二年以下ノ懲役ニ處ス其相姦シタル者亦同シ

前項ノ罪ハ本夫ノ告訴ヲ待テ之ヲ論ス但本夫姦通ヲ縱容シタルトキハ告訴ノ效ナシ

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普通の人は読めないかも(^^;

結婚してる女が、エッチすると、女と、相手の男が、犯罪ということです。

結婚してる男が、独身女性とエッチしても、犯罪になりませんでした。


これって、不平等でしょう?


戦後、男女平等を定めた憲法ができたものですから、

1.結婚している男が独身女性とエッチした場合を犯罪にして、平等に罰する。

2.姦通罪自体を無くしてしまう。

の二者択一を迫られたわけです。


しかし、国会議員の先生方は、かなり多くの人が二号さんを持っていたので、2を選んだわけです。議員一人一人の心理は知るよしも有りませんが。


ちなみに、ヨーロッパなどでは、姦通を犯罪として取り締まるのは人権問題となるという考え方から、無くなっています。

おとなりの韓国では、去年、2015年2月26日、憲法裁判所で違憲判決が出ました。

アメリカでは、まだ半分近くの州で残っています。あまり積極的に適用されていないようですが、さすがに、ピューリタンの作った国だけあって、家族とか性とかのことは、かなり保守的です。

イスラムの国では、けっこう重罪です。ひどいときは死刑(石打ちの刑です)(゚д゚)!

新約聖書のヨハネによる福音書には、(ユダヤの律法の)姦通罪で石打の刑にされる女性を、イエスが助ける、という話が出てきます。

まだ、やってます。




有名人の不倫報道をきっかけに、有名なブログにも、どういう法律問題になるか、を書いてあるのを拝見しました。

その人なりに、弁護士のサイトなども見て理解されている、と思いましたが、その人も含めて、多くの人が誤解していることがあるかも、と思ったのです。


そのうち、このブログに書きますが、刑事と民事の関係です。


よく、「この事件は刑事か民事か」、というふうに聞いているのを耳にします。


答えは、4通り。

1.刑事事件にもなるし、民事事件にもなる。例)車で人をひいた。刃物で人を刺し殺した。

2.刑事事件にはなるけど、民事事件にならない。例)賭博をやった。(民事にまったく関係無いわけではない)

3.刑事事件にはならないけど、民事事件になる。例)うっかり他人の物を壊した。

4.刑事事件にならないし、民事事件にもならない。


私法(民法とか商法)と、刑法では、目的が違うので、当然です。

私法は、人々同士の関係の調整。

刑法は、国家が刑罰を課すことで、犯罪を防ぐ。






法人って、団体のこと?

法人って、団体のこと?

個人でないのが、法人?


違います。


人の集まり(団体、社団)は、法人も有りますし、法人ではないものも有ります。

財産の集まり(財団)の法人もあります。


そもそも、法人って何か?ですが、

その前に、自然人について知った方がわかりやすいです。


自然人っていうのは、人間のことです。日本人でも外国人でも、赤ん坊でも、すべての人間です。

この他に、法律上、人にしましょう、と、認められたのが、法人です。

自然人と法人と合わせて、民法などでは「」といいます。法律用語としてですよ。

この「人」というのは、権利が有ったり義務を負ったりする。他人と契約を結んだりする。そういうもののことです。

(民法でも他の法律でも、人と言ったら、普通の人間のことをいう場合もたくさん有りますけれどもね。ややこしい(-_-;) )



民法 第一編 総則、第三章 法人 に書いてあります。(第二章は「人」です。これは自然人のことです。)

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(法人の能力)

第三十四条  法人は、法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。

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この「定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において」っていうのは無視して良いです。イギリス法が影響してる条文ですが、裁判所もすごく広く解釈していますので(実質的には無視してる)。

なお、法人の種類によって、法律が違いますので、この民法34条が適用されるとは限りませんが、どの法人も同様の規定があります。


なぜ、自然人以外に法人なんてものを認めるのかといいますとね。

大きな意味が2つ有ります。

内部に対して、と、外部に対してです。


まず、外部に対しての話ですが、

どこかの企業が、

人を雇うとき、雇用契約を結びます。

物を売るとき、売買契約を結びます。

物を買うとき、売買契約を結びます。


建築会社は、工事するとき、請負契約を結びます。

病院は、患者さんと、委任契約などを結びます。


法人自体、自然人ではないので、動けませんから、

代表として動く社長さんとか、営業の人や店員さん、と契約していますよね?

でも、契約相手は、法人なのですね。


お店屋さんの店長さん個人と契約をしてる場合も有ります。これは個人事業主さんなのですね。法人ではないのですね。

屋号というのも有りますが、あくまでもお店とかの名前で、法人ではないです。あくまでも個人は個人)


次に内部の話です。

法人だと、みんなの物はみんなの物として、登記したり(不動産など)、できます。

(株式会社の構成員について、みんなの物については、このブログの他の投稿で書きました。会社員とは何か?会社の構成員(メンバー)?

貸したり、担保に入れたりも、借りたりとかも、法人としてできます。


でも、個人事業主さんは当然ですが、

法人になっていない団体などは、代表者とかの名前でしか、できないのです。

つまり、代表者がネコババしやすいし、責任は代表者が全部被ることになります。

大変なんですよ。

(一応、民事訴訟法とか、あるいは理屈で、法人と同じように扱ってくれる例外も有りますが)



なぜ、法人というのが必要か、わかった所で、法人には、どんなものがあるか、っていうお話しです。


中小企業経営者の方は、法人会も有りますし、株式会社とか合同会社とかをすぐ思い浮かべますね。

他の方々は、法人とついているもの、学校法人とか宗教法人とかを思い浮かべるでしょう。

独立行政法人とか、国とかの関係のことをやっているところを思い出す人もいるでしょう。

いろいろなのが有りますが、全部、法人なのです。


共通して言えるのは、法人をでっち上げる法律が無いとダメってことです。(スイスとかだめじゃない国も有ります)

その上で、所管庁(その分野を管轄してる役所)の許可とか認可だったり、認証だったりがあって、登記をすれば、法人の出来上がりです(設立)。

法人によって、法律も違います。所轄官庁も違いますし、設立のハードル(認可とか)も違います。


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(法人の成立等)

第三十三条  法人は、この法律その他の法律の規定によらなければ、成立しない。

 学術、技芸、慈善、祭祀、宗教その他の公益を目的とする法人、営利事業を営むことを目的とする法人その他の法人の設立、組織、運営及び管理については、この法律その他の法律の定めるところによる。

(登記)

第三十六条  法人及び外国法人は、この法律その他の法令の定めるところにより、登記をするものとする。

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最初の疑問。

団体なのに、法人でないもの


学校の同窓会(学校は、学校法人だったり、国立大学法人だったりしても)

学校のクラブ

町内会で、法人になっていないもの。(平成3年から法人になれることに)

労働組合で、法人になっていないもの。

宗教団体だけれども、宗教法人になっていないもの。


他にいくらでも有りますが。


次に、法人なんだけど、ちょっと意外なもの。


地方公共団体(都道府県とか市町村など)


よく、「都庁に売る」とか、「取引先が市役所」とか、言いますね。

正確には、「東京都に売るとか」、「取引先が○○市」、となります。

(都庁の庁舎に納入する場合もあるとは思いますけども)


あと、かなり専門的な話ですが「国家も法人だ」という理屈が一般的です。




夫婦同姓制度(夫婦別姓ってどう?)

2015年12月16日、最高裁判所で夫婦同姓制度について、合憲の判決が出ました。


そもそも、夫婦同姓制度って何?


常識?本当?


民法第四編 親族、第二章 婚姻、第二節 婚姻の効力に条文が有ります。
 

第七百五十条  夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。 


夫婦は、夫か妻かどちらかの苗字を、結婚するときに決めて、同じ苗字を名乗ることになっています。


という意味です。

まず、確認したいんですが、必ず、奥さんがだんなさんに合わせるわけではないのです。

どっちがどっちでも良いのです。

だんなさんが合わせるっていう場合は、婿養子でしょう?っていうのも違います。

だんなさんが奥さんの親と養子縁組をするかどうかといっしょにしなくて良いのです。


実際は、多くの人が勘違いしていることでもわかりますが、女性が男性に合わせることが圧倒的に多くなっています。(2014年の統計で96%)


「称する」っていう書き方ですが、名乗らなくちゃだめ、っていう強制です。


最高裁は、

同じ姓を称することで家族の一員であることを実感できる。とか

通称が認められていることが多くなっているから、不都合が無いじゃんか


とか言いますが、

・苗字だけで、家族の絆が生まれて実感するんですか?
・強制的に、夫婦同姓なのは、日本くらいしかないんですけど、外国の家庭は崩壊してるんですか?


・公的文書(役所に提出する文書とか証明書とか(免許証とか))に使えない。

通称戸籍の苗字が違う


とかいう、ややこしいことが起こる。


また、

・通称が、ある程度広まっているとはいっても、認められていない会社も多い。


それから、

・ほとんど、女性の側が姓を変えることになって不利益を被っているから、事実上、女性差別になっている。


結婚して、突然名前が変わっちゃうと、友達とか、お客さんとかに、だれだっけ?って言われちゃいます。

名刺を見たら、だれだっけ?同窓会名簿を見たら、だれだっけ?親友のだれだれちゃんの名前が無い。名簿も旧姓を載せていますけど、わかりづらい。

Facebookは旧姓も入力することができて、検索はできますけど、やっぱり、だれだっけ?は避けられない。

学者とかデザイナーとかだって、論文の著作者の名前や、作者の名前を今まで通り使いたい。


・子供との関係で不都合も有ります。

子供がいる女性と結婚した都議会議員がブログで書いていましたが、結局、女性が、 議員の苗字に変更することになり、いっしょに、子供の苗字も議員の苗字になりました。持ち物に書いてある名前などを全部変更したそうです。


仕事などで、ある程度、通称を使える人でも、戸籍の名前は違うから、

・公共の契約、その他、ものすごくたくさんの場面で、いちいち名前を変更する手続きをしなくてはいけない。

・結婚をきっかけに、結婚前のデータが継続使用されない危険がある。



婚姻の自由の制限


結局、強制的に苗字を変えられるのがいやで、婚姻届を出さない、っていう人がいっぱいいます。

かわいそうじゃんか、そんな不自由させて。

だから、憲法違反だって、最高裁の少数意見は言っています。

第二十四条  婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。

    配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

つまり、両性の合意のみで、あとは自由(国家に余計な制限をされることが無い)っていう

「婚姻の自由」を不当に制限している、っていうことです。



不平等


それに、この24条にも書いている、両性の本質的平等に反する、と少数意見にあります。

2014年の統計で、女性が苗字を変更する場合が、96%だそうです。

法の下の平等を定める14条にも違反するということになります。



女子差別撤廃条約


第16条

締約国は,婚姻及び家族関係に係るすべての事項について女子に対する差別を撤廃するためのすべての適当な措置をとるものとし,特に,男女の平等を基礎として次のことを確保する。
(a) 婚姻をする同一の権利
(b) 自由に配偶者を選択し及び自由かつ完全な合意のみにより婚姻をする同一の権利
(c) 婚姻中及び婚姻の解消の際の同一の権利及び責任
(d)~(h)は省略


この条約は、日本も批准しています。

この16条1項の(b)違反していると考えられます。

今回の訴訟でも、原告側は、このことも主張していました。


条約は、憲法より下で、法律より上です。

ですから、条約違反の法律はだめなのです。


この条約の2条は、この条約に違反する法規を改廃する義務を締結国(つまり日本)に課しています。



憲法第13条


憲法13条の人格権としての「氏の変更を強制されない自由」を不当に制限していて、違反ということにもなります。


世界ではどうか


そもそも、夫婦同姓を強制する国は、今、日本くらいしか見当たらないのです。

夫婦別姓の国が多いです。

日本のように同姓だったけれども別姓にした国も多いです。

元の苗字と結婚してからの苗字と両方使える国も多いです。

選択的夫婦別姓(同姓か別姓か選べる)の国も多く有ります。


国民感情とか世論とか


日本では、明治に戸籍を作ったときに、夫婦同姓制度を始めただけで、日本の伝統とは言えません。

最高裁の多数意見は、選択的夫婦別姓制度を国会がやるんだったら、良いんじゃないか?と言っています。


新聞なども、世論はどうかについて報道します。


たしかに、家族のことをどう決めるか、は、日本の歴史や、国民感情、その他が大事です。

大事でないとは言いません。


しかし、人権問題については、世論が99%反対でも、関係無いのです。


立憲民主制とは、民主主義で基本的に政治を行うが、多数の人に少数の人がいじめられるの(多数決の横暴)を防ぐために、民主主義で決めたことさえ制限する、憲法というものを作って、国(立法、行政、司法)を縛る、そういう体制のことを言うのですから。

これをわかっていない人は、憲法について、ちょびっとも、わかっていない、と断言して差し支えありません。




最高裁の豆知識


最高裁判所の裁判官は、全員で15人います。

普通の裁判では、小法廷といって、5人ずつ、3グループでやっています。

特別なときだけ、大法廷と言って、15人全員でやります。


特別なときは、

・判決理由の中で、憲法判断をするとき

・判例変更をするとき

の2つの場合です。

裁判所法10条ただし書きです。


裁判所法
 

第十条

(大法廷及び小法廷の審判) 事件を大法廷又は小法廷のいずれで取り扱うかについては、最高裁判所の定めるところによる。但し、左の場合においては、小法廷では裁判をすることができない。

一 当事者の主張に基いて、法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを判断するとき。(意見が前に大法廷でした、その法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するとの裁判と同じであるときを除く。)

二 前号の場合を除いて、法律、命令、規則又は処分が憲法に適合しないと認めるとき。

三 憲法その他の法令の解釈適用について、意見が前に最高裁判所のした裁判に反するとき。


10条本文にも最高裁判所が決める場合が書いてあります。
最高裁判所規則にも、少し書いてあります。







 

再婚禁止期間

違憲判決

再婚禁止期間について、最高裁判所違憲判決が出ましたね。2015年12月16日

制度そのものではなく、「期間が長過ぎる」っていうものですが(;^_^A


夫婦同姓制度は合憲だっていう判決も出ましたね。

15人の裁判官のうち、5人は反対意見(違憲)ですが

(違憲の意見です。ややこしいですね。

夫婦同姓制度については、別に書きますね。 


再婚禁止期間って何?

日本のニュースとか新聞は基本的なことを言わなくて、さっぱりわからないことで世界では有名です。

国民みんなが六法を持ち歩いているとでも思っているんでしょうか?

今はスマホで読めますが。


まず、民法には、下のような条文がある、ということを、確認したいと思います。


民法の第四編 親族、第二章 婚姻、第一節 婚姻の成立、第一款 婚姻の要件にある条文です。

(再婚禁止期間)

第七百三十三条  女は、前婚の解消又は取消しの日から六箇月を経過した後でなければ、再婚をすることができない。

 女が前婚の解消又は取消しの前から懐胎していた場合には、その出産の日から、前項の規定を適用しない。

条文が何を言っているか、簡単に説明しますと、

「女性は、離婚して(死別も含む)から、6ヶ月間は、結婚しちゃだめ」ってことです。

つまり、市役所とかで、婚姻届を受け付けないってことです。


上の説明で、条文の中の「取消し」って言葉の説明は省いています。わかんなくて良いです。


そもそも、なんで、こんな条文があるの?
(再婚禁止期間の制度の趣旨)

えらそうなババアは、「離婚して、すぐ結婚するのってどうよ。半年でも短いわ」っていうツッコミをするでしょうけど。


法律に詳しくない人でも、特に女性は、「なんでやねん」と突っ込みたくなる条文ですよね。

「法律で決めることないじゃん。人にはいろいろ事情があるのよ。」とか、

「なんで、男はよくて女はだめなのよ。不公平じゃないの」とつっこみたくなるのが、普通の感覚でしょう。


なんで、こんな条文があるかというと、


再婚してから産んだ子供の父親が、前の夫だか後の夫だかわかんなくなっちゃうでしょう?

っていう話。


妊娠期間は、10ヶ月ちょっとが普通だから、なんで6ヶ月なのか、よくわかんないですよね?


嫡出の推定



実は民法の別の条文とリンクしてるんです。

民法 第四編 親族、第三章 親子 第一節 実子 にあります。

(嫡出の推定)

第七百七十二条  妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。

 婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。

まず、1項から。1項っていうのは、第七百七十二条って書いてある次の「妻が~」のところです。


奥さんが結婚している最中に妊娠したら、反対の証拠が無ければ、だんなさんの子供ということにします。


っていうことです。
 

「推定」っていうのは、法律用語です。

「反対の証拠が無ければ、(法律上)~ということにします。」

という意味なんですよね。

見出しにある「嫡出」っていうのも法律用語です。「夫の子」ってことです。

夫じゃない人の子を「非嫡出子」っていいます。
(不倫とは限りませんよ。内縁の夫とか婚約者とか恋人の子供もです。最近、「婚外子」ともいいますね。)


次は2項です。2項は、「2」のところです。

(昔は、この「2」も書いてなくて、最近の法律は「1」以外は書いてあります。全部書けば良いのに(●`ε´●)  )


婚姻届を役所に出した日から200日たった後、または、離婚して(死別も含む)から300日以内に生まれた子供は、反対の証拠が無ければ、結婚している最中に妊娠したこととします。


今度も「取消し」については省略します。


この条文だけだとおかしなことになるんです。


離婚した次の日に結婚できるとすると、、再婚してから201日目~300日目は、前の夫と再婚した夫と両方推定する、っていう、有り得ない結論になっちゃいますよね。

だから、ダブリの期間について、女性が結婚できないようにしましょう、ってしたんですね。


でも、ダブリを防ぐのが目的なら、

300-200=100、100日で良いじゃんってことです。


でも、733条は、再婚禁止期間を6ヶ月と定めています。大体、180日くらいですね。


180-100=80


80日も意味不明の余裕が有るわけです。
 
まあ、一応、妊娠半年なら、外から見て、妊娠してるってわかるようになる、っていう、もっともらしい理屈があったらしいですけど。


今回の最高裁の判決は、「100日を超えるのは、婚姻の自由の過剰な制限だ」っていうことなんですね。


弁護士ドットコムのページにわかりやすい図解が載っています。

https://www.bengo4.com/other/1146/1287/n_4067/



今回の判決が出た結果、どうなるのか


違憲判決が出たからと言って、自動的に法律が改正されるわけではありません。

ただ、行政は、立法と司法にしたがわなければならない立場ですから、戸籍を管轄している法務省(民事局)は、全国の自治体に100日経っていれば、婚姻届を受理してね、と通知するそうですね。戸籍事務は、市役所とかでやっていますから。


そして、法務省はさらに、100日に改正する法案を、国会に提出する方針にした、と言っています。法務省の官僚が頑張って作ったものを、内閣が閣議で決めて、法案を国会に提出する、っていうことになります。(民法772条を改正する法律です。ややこしい(^o^)   )


最高裁は、期間が長すぎるという理由で違憲にしましたが、

制度そのものが違憲で良いと思います。


そもそもさ、「722条の嫡出の推定、ってどうなのよ」って話です。
 

最高裁は「父親がだれかを早期に確定する必要があるから合憲」とかもっともらしいことを言っていますが。

誰の子どもかわかんなかったら、昔はともかく(条文は違いますが制度自体は明治から有った)、今だったら、DNA鑑定で調べれば良いでしょう?

とりあえず、揉め事が起きたときに、家庭裁判所でだれが父親かを決めれば良いでしょう?


真面目な大手マスコミとかは書いてない話ですけど、ぶっちゃけると、

不倫は論外ですが、今どき、結婚と妊娠時期をリンクさせるのって、違和感を感じる人は多いんじゃないでしょうか?意味無いですよね?
 

(結婚しなきゃ子作りしちゃいけないっていう真面目な方々を否定するつもりはありませんよ。結婚前に何が起こるかわかりませんから、男女の将来と子供の将来を考えれば、堅実で良いと思いますよ、もちろん。)


戸籍を管理する役所や、揉め事を持ち込まれる家庭裁判所が面倒くさいだけじゃん。

本人たちと周りが平和なら、それで良いじゃんか。


科学が進んだ今、似たような法律があった海外では、どんどん廃止しています。


立法政策だけの問題ではなくて「この再婚禁止期間も条文自体が憲法違反だ」っていう話で良いと思います。

以前から国連女子差別撤廃委員会などは、日本政府に対して「女性差別にあたる」として、再婚禁止期間の条文を廃止するよう勧告していましたし。

(女子差別撤廃委員会は女子差別撤廃条約の実施のために国連に設置されたものです。この条約を日本は批准しています。しかし、委員会への個人通報制度(国に差別された女子が委員会に通報できる制度)を定めた選択議定書は批准していません。)



ところで憲法の何条に違反ですか?


おそろしいことに、かなり詳しく書いてある大手の記事を読んでも、憲法の何を定めた何条に違反する、っていうことがちゃんと書いていない。なんなんだ、日本のマスコミは(●`ε´●)


法24条です。

第二十四条  婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。

   配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

24条ですが、「婚姻の自由」「家族生活での両性の平等」を定めています。
そのために2項では、法律制定の基準が書かれています。


再婚禁止期間は、この「婚姻の自由」の制限なわけです。不当な制限だと憲法違反です。


「婚姻の自由」っていうのは何か、ですが、

婚姻=結婚っていうのは契約です。本人たちがOKなら、国が制限してはいけない。本人たちのOKが無いなら、結婚も有り得ない、っていうことです。

(この場合の国は行政だけでなく、立法も司法も当然に入ります。法律でも制限してはいけない、判決でも制限してはいけない、ってことです。)


(本人たちの合意だけで結婚できるっていうのは当たり前だと思うかも知れませんが、戦前の日本では、本人同士が結婚したくても、親がだめだと言って結婚できなかったりしました。事実としてだけでなく、違法なことではなかったのです。

海外では、今も、まだ小学生くらいの子供が、親の意思で、結婚させられるという国がたくさんあります。

子供はもちろん女の子です。)


再婚禁止期間っていうのは、余計な制限だ、許される制限ではない、ということです。

有っていいのは、届けが必要だ(制限とは言えないレベル)とか、年齢制限が有るとか、未成年は親の同意が必要とか、です。


今回、制度自体は合憲としている最高裁は、14条違反とは言いませんでした。

女性に対する不当な差別であると主張すると、14条が問題になります。

第十四条  すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

  華族その他の貴族の制度は、これを認めない。

   栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

法の下の平等を定めた、14条1項に違反する、っていうことです。14条の中にも、「性別」っていう言葉がありますね。女性にだけ不利益な条文は、これに違反する可能性があるわけです(もちろん男性差別もだめ)。差別の条文に合理性が無いと憲法違反なのです。



夫婦別姓制度については別に書きました。


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コンセプト

憲法・法律・人権をメインに、そのときどきで、考えたことを書いています。
自分らしく生きたいという願いが実現しやすい社会を作るためには、憲法、人権、法律についての正しい理解が不可欠と思っています。
世間にある憲法・法律についての誤解から、個人が生きづらくなっている現状を変えたいと思っています。
自己紹介


東京都八王子市 出身

好きな動物:猫。犬も好き。
趣味:カラオケ

創価大学法学部法律学科卒業
大学ゼミ:刑法(内藤謙先生)

お世話になっています。

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