高校生の政治活動について、文部科学省がQ&A集を作成した、というニュースがあります。

高校生の政治活動でQA集 文科省作成 毎日新聞の記事です。

子供を、性悪説で見てるんだ(性善説で見ろとも言いませんが。)。そうやって、とにかく管理する発想。それで、教育ができると思ってる。学校を(表面だけ)良い子ちゃん製造工場にしたいのか。


選挙権が18才からになる前から、そもそも、小学生の頃から、政治についてどう向き合うか、社会科とか公民とかで、ちゃんと教えれば良いのだ。


政治は大人の趣味ではないんだ。

もちろん、子供の趣味でもない。


学校生活を台無しにしてまで、他人の迷惑をかえりみずに、政治活動をするのは、もちろん、良いことではない。
でも、それって、政治活動に限ったことではないんじゃない?
わざわざ、政治活動に限って、校則に定めることも、だめとは言わない、って、何それ?


どうせ、若い人は、ラディカルな(急進的な)、現政権に批判的な方に、のめり込むとか、警戒しているんだろう?

大正時代に、民主主義思想が盛り上がって(大正デモクラシー)、(男子)普通選挙(納税額などの制限を一切認めない)を決めたと同時に、治安維持法を定め、選挙運動を厳しく限定する法律(運動期間を直前に限定。投票日当日の運動を禁止。戸別訪問禁止など)を作って、共産主義勢力が台頭するのを防ごうと思ったのと、似たような考えだろう?(今の公職選挙法にも残ってしまってる、世界的にも珍しい制限)

デモ行進を仕方ない限度で規制するのではなく、デモをやってる人は暴力を振るう人たちになると、はなっから決めつけて取り締まろうとする連中と同じ発想だろう?

そもそも、庶民は、特に若い人は、何をしでかすかわからん、たちの悪い連中だ、と思っているだろう?


何様のつもりだ。


現にそういう人もいるかも知れないけど。

そうやって決めつけるのはだめだろう?

そもそも、まともな政治教育をしないから、大騒ぎになっちゃうか、それを冷めて見る人の両極になってしまうのではないか。
生徒たちを利用しようとする勢力に、生徒たちが利用されてしまうのを、防ぐことができなくなってしまうではないか。

マスコミも、権力闘争の話ばかりをしたり、政策の話をするにも、政治家の発言を(自分たちの意図に当てはめて)報道してちゃ、だめだろう。

そもそも、マスコミが、政治家の発言以前に、よく政治(政治に限らず)を勉強した上で、政治家や政党の発言を冷静に分析して、報道しなければだめだろう。

問題が出てから、マスコミが好きな、たった一人とかの法学部の先生や政治学の先生に、インスタントな講義を受けて、分かった気になって、エラソーに変な記事を書いてる場合じゃないだろう。


私は、マスコミの背景に、どういう、権力や、商業的な力が働いているかは、知りません。そういう分析は必要でしょう。

でも、マスコミのことをマスゴミとか言ってる一部の若い人たちよ。
法学や政治学や経済学や社会学などを、少しでも、まともに勉強した上で、何が正しいのか(何が国民みなの幸福のためになるのか)を自分なりに考えた上で、マスコミを批判しようよ。

ゴミと同じ穴のむじなになってしまうよ。


子供も、政治の意味がわからない状態の人にも、国の政治は関係があるんだ。国民は国家の支配下にあるんだから。

だから、本来、民主主義を徹底すれば、子供だって、大人だって、政治にどんどん参加するのがまともなのに。

ただ、選挙権だけは、一定の年齢以上という区切りで判断力があると仮定して、妥協して、行使できる人を区切っているだけなんだから。

基本、選挙権を含む参政権は、本来、国民ならだれにでも認められるべきものなんだ。

日本は永住権を持っている外国人にさえ、選挙権を認めない。そもそも、永住権をちょっとやそっとじゃ認めないし。

永住する気なら、母国を捨てて帰化しろ、というスタンス。(帰化もあまり認めないけど。)

日本に住んでいたら、国民でなくたって(日本国籍が無くたって)、日本国の支配に服するんだ。
所得税も消費税も固定資産税も、外国人も日本人と同じようにとられているのに。
他のことだって、国民と同じように義務があるじゃないか。
むしろ、国民でないことで、不利益が多すぎる。なんなんだ、このバランスは。


選挙権を認めない。その他の参政権を認めなかったとしても。

言論の自由や、集会の自由、結社の自由を不当に制約することはやめよう。

大人についても不当に制約しようとするし、不当な制約を規定する(つまり憲法違反の)法律が多いから、子供にはもっと厳しくしたいのだろう。

でも、あからさまに厳しくしようとすると、左翼勢力の教育者たちを中心に騒がれるから、学校がやるならどうぞ、みたいなスタンスなんだろう。


法の下の平等という言葉を知っていますか?


(公立学校は、国や自治体の権力が及んでいるから、人権を不当に制約してはいけないのは当たり前だが)

私立学校も、一定の限度で、学校の教育の目的にそった自治が認められるとはいえ、生徒の人権を不当に制約してはいけないんだ。

そうでなければ、憲法が最高法規であって、日本の国家の支配が、国民と国内にいる人たちに及ぶ、という大原則が崩れてしまう。(近代以前の封建制などになってしまう)

一定のくくりの中で、人権が認められない=人間扱いがされない、ということになってしまうじゃないか。
 

老人保護施設や障害者施設や保育園や家庭内などで虐待をする人間の意識も、そして問題が発覚するまで動きが鈍い国や自治体も、考え方の根は同じだろう。

宗教団体だって、信者に何かを強制をしたり、信者を虐待してはいけないんだ。当たり前のことなんだ。そんなことを保護することは、信教の自由の意味とはまったく違う。

会社だってそう。強制は一切だめです。犯罪です。
会社に命令されて働いていることは、強制ではないです。本人が望んで(自由な意思で)雇用契約をしているから(自由主義)。ただ、労働者は会社の提示する条件に従うしかない弱い立場だから、あえて国がバックアップします(社会主義の考え方を取り入れている。)。


子供に特別な人権があるわけではない。人権が大人と違うわけでもない。

生まれたら、もう人間なんだから、人権もあるんだ。

ただ、国が、子供を守る立場からの親心で(パターナリスティックな)制限をできるに過ぎないんだ。あくまでも、例外なのだ。だから、行き過ぎはまずい。

そもそもそういう理念を知らず(または無視して)、子供を人間扱いしないことが、世界中で行われているから、あえて、子供の人権の保障を強調して、守る必要があるんだ。子どもの権利条約もそういう意味からできたものだ。


文部科学省にこういう基本的な理解が無いことが、日本の学校で、正しい人権教育ができないことの大きな原因になっているのではないか、と思える。

そして、正しい人権教育を受けられなかった、人権が何かを全くわかっていない連中が、文部科学省の官僚になって、バカを繰り返すのか。

あるいは、政治家になって、より良くする憲法改正ではなく、人権思想を無視した、憲法を憲法でないものにすることを、なんの臆面も無く言い出すのか。


どこかで断ち切らないと。


追記

いったんアップした後、誤解されそうかな、と思われることについて、後から書きました。

一つは、外国人について、永住権とか帰化についてです。 これは、一般的な話です。 戦前に韓(朝鮮)半島から来た人とその子孫、いわゆる在日韓国人、在日朝鮮人とについては、また違った話になります。帰化は簡単に認められているようです。
もう一つは、以前も、今回も、共産主義勢力について、不当な取り締まりをすることに、批判的なことを書いていますが、自由主義を尊重する立場から書いているだけで、私自身が共産主義勢力の考え方に同調することを表明しているわけでもなければ、日本共産党の支持を表明しているわけでもありません。

あえて書く必要が無いのですが、誤解する人が多いのではないかな、と、今までの経験上思いますので、書きました。