イギリスが、国民投票で、EUから離脱することを決めましたね。

経済的な混乱が世界的に起きているようですね。
離脱まで、そして、離脱後にどのような世界になるのか。

※EUはEuropean Union の略です。日本語では、欧州連合と訳されています。

これからの世界情勢や経済のことについて、専門的に論じることは、このブログではやりません。
もっとんより能力の有る人にまかせれば良いです(^o^)


このブログでは、人権思想とEUの関係について書きます。

思いましたか?
なんの関係があんの?って。
 
それが大有りなんです。

国家とは何か?人権とは何か?という話からなのです。

人権とは、あらゆる人々が一人も例外無く、人間であるということだけを理由に認められる権利の集まりです。
一人一人が、例外無く、かけがえの無い、大切な存在だとして、扱うということが、人権を守るということです。

一人一人が大切ということから、当然に人権の内容も同じでなければいけません。

ここから、法の支配法の下の平等という考え方が出てきます。

 
正しい法が一つでなければいけない、ということになります。

国家も一つ、
憲法も一つ、
憲法が守られているかの最終判断をする所(裁判所)なども一つ、

ということになります。

「じゃあ、世界中全部同じ法律にしろってことか?」っていうツッコミは、ちょっと違います。
 
日本にもその他多くの国にも地方自治がありますよね?
それに、アメリカやドイツを始めとしてたくさんの連邦国家がありますね?

連邦国家の詳しい説明は省略しますが、
ざっくり言うと、連邦国家とは、
一つ一つの州が国家(一つの法システムで運営されている)で、さらに州の集まりが連邦として一つの国家にまとまっている(一つの法システム=連邦法でで運営されている)。
というものです。
連邦国家によって、違いもたくさんありますけどね。(連邦の権限、州の権限が違う)

難しい?(;^_^A

何が言いたいか、というと、
人権思想から、一つの憲法、一つの国家といっても、それぞれの地域の実情を無視して、全体の考えを押し付けるのではない、ということです。
押し付けだと、自由主義ではなくて、全体主義になってしまう。
三権分立と並んで、地方自治も、自由主義からの結論なのです。 

そもそも、自由主義、近代立憲主義自体が、国民の自由を尊重しろ、国家の価値観を押し付けるな、というのが出発点なのですから。

押し付けを広げるのだと、戦前の、日本の八紘一宇の大東亜共栄圏とか、ドイツの第三帝国になってしまう。



世界が一つの国なら、国と国との戦争は無いのです。
国でないテロ集団とかとの戦争や、内戦とかはあったりするのだった(;^_^A


戦後できた国連(国際連合)はどうなの?

基本的には、国の代表者が集まって話し合う場ですね。たくさんのNGOも参加していますが。
いろいろな機関があって、それこそ、複雑に大変な仕事をしている人がおおぜいいます。
詳しい説明は省きます。また今度(^o^)/ 

国連は、戦後、人権保障と平和のために、作られました。
国ごとにバラバラではだめだと考えたからです。
 
なかなかうまくいかないことも多いかもですが、なんとかかんとか頑張ってらっしゃる。
国連憲章という条約を基本にいろいろな条約で運営しています。
条約は、国と国との約束です。
目指すところは、地球連邦とか世界連邦ですが、まだ、途中の妥協です。

妥協だから、民族の自決権とか集団的自衛権を認めたりしているのでした。 
この2つ、特に民族自決をどう考えるかは、ものすごく難しいかもです。 

国際法、国際人権法との関係で重要なことは2つ。

1.国際法(国際公法=国と国との関係の国際法)の問題は、国際司法裁判所で決着をつけましょう。

2.人権侵害があって、その国の裁判所などで解決されない場合は、個人が国連の機関に訴えることができるようにしましょう(個人通報制度
(いくつかの人権条約(自由権規約など)の選択議定書にかかれています。
選択議定書も条約ですが、オプションにすることで、本体の条約を批准しやすくするためです。
なお、日本は、司法権の独立を理由に、これらの選択議定書全部を批准していません。アメリカもです。他の先進国では無いことです。)


また、国連だけでなく、地域ごとに、こういう取り組みをしているところがあります。
アメリカ大陸とヨーロッパ大陸です。

アメリカ大陸には、中南米24カ国が加盟している米州人権条約とそれに基づく米州人権裁判所が有ります。
加盟国と米州人権委員会が訴えることができます。個人通報制度はありません。

ヨーロッパの欧州人権条約欧州人権裁判所は、個人通報制度があります。国連といっしょです。(国連が後ですが)

そして、欧州人権裁判所の判決は、加盟国に対して強制力があります。
これは非常に大事なことです。

考えても見て下さい。
法だ、法だ、これが正義だ、判決だ、と言ってみたところで、強制力が無いとただの宣言なのです。こわくないのです。
刑罰が執行されない刑事判決みたいなもんです。

そして、国連の委員会のには、強制力が無いのでした。


欧州人権裁判所は、欧州評議会の機関です。欧州評議会には、他にもいろいろ機関があります。

1949年に、欧州評議会規程(ロンドン条約)で、欧州評議会が作られました。
他にもたくさんロンドン条約と呼ばれるものがあるので注意。
加盟国は47です。(EU加盟国27は全部加盟しています)。
設立国は、イギリスを含む10ヶ国でした。
その他、欧州人権条約を含む多くの条約があります。

日本の降伏直前まで、イギリスで首相だったチャーチルが、ヨーロッパ合衆国や欧州評議会を作ろう、と演説したりしていました。

今回、EU離脱をイギリスが決めちゃったのは皮肉ですね。

欧州評議会規程前文には、
「その人民の共同の世襲財産であり,かつ, すべての真正の民主主義の基礎を成す原則である個人の自由,政治的自由 及び法の支配の真の根源である精神及び道徳の価値のために献身するこ と」
と書いてあります。

第1条には、
「加盟国の共同の世襲財産たる理想及び主義を保護実現し, ならびに加盟国間に一層緊密な統一を達成すること」

第3条には、
「欧州評議会の各加盟国は,法の支配という原則 とその管轄権内にあるすべての者が人権及び基本的自由を享有するという 原則を受諾し,かつ,第1章に明記する評議会の目的の実現に誠実にかつ 有効に協力しなければならない。」
と書いてあります。

以上、立命館大学のページ(PDF)からの引用です。


こういういきさつがあって、こういう目的なので、当然、ヨーロッパが協力して、一つの国を作ろう、という流れなのです。

それで、いろいろと、~機構とか~共同体などが作られました。
みなさんご存じのOEEC、NATO、EEC、ECとか。

いろいろ紆余曲折が有って、やっと、1993年にEUが誕生するのでした。(マーストリヒト条約=欧州連合条約
EUは、もう一つ、1958年の欧州経済共同体設立条約も根拠にしています。ややこしい?

政治的まとまりも重要ですが、経済的な統合があったりします。
通貨統合(ユーロ)をしたりしてますね。
EUのすべての加盟国でない点に注意です。イギリスもずっとポンドを使っていますね。

いろいろな改革を盛り込んだ、欧州憲法条約を作って、いよいよ本格的に一つの国家になろうとしたんですが、フランスとオランダが国民投票で拒否。

結局、2007年、リスボン条約ができて、2009年に発効しています。

※リスボン条約=欧州連合条約および欧州共同体設立条約を修正するリスボン条約


まとめ

人権、平和、憲法、国家、国連、EU
これらの言葉をばらばらに理解などできないのです。

経済が大事でないとは言いません。人間、食べていけてなんぼです。

でも、それだけでは幸福ではない。

日本人は、字とか音声ばかりにとらわれて、言葉の定義を確認した上で話すということが苦手のようですが、それでは議論ができないのです。言葉遊び?
なんのために議論をするのか。
同じ字、同じ音声の言葉を、ほぼ同じ意味で使わなければ、コミュニケーションができないじゃんか。

せっかく、「けんぽう」とか「りっけんしゅぎ」とかという音声が、多く聞かれるようになったんだから。

EUについて、話すときも、ちょっとだけ、人権とか、憲法とか世界平和の話をしましょうよ。


EUが、加盟国に、死刑廃止を要求するのは、みなさんも知っているでしょう?
不思議ではなかったですか?
EU基本権憲章に書いてあるのです。 (リスボン条約で、法的効力を持ちました)
欧州人権条約の第6議定書と第13議定書にも書いてあります。
一応、もう1回確認しますが、欧州人権条約は、欧州評議会の条約です。

に書きました。


難民や経済の問題など多くの問題が有って、なかなか理想通りにはいかない。
けれども、今回のイギリスの結果が、理想に近づく流れに逆行しているのは確かなのです。
北部アイルランドが独立の動きを再開するのではないか、という心配も有ります。
スコットランドもね。
独立自体に反対はしませんけども。



※条約についての基礎知識メモ

条約の締結とか批准とかって、よく聞くけど何よ?

条約は、国と国の約束ですから、「締結」っていうのはわかりますよね?

「批准」が難しい(;^_^A

日本で言うと、内閣が署名した条約を国会が承認すると、締約国に義務を負うと同時に、日本の国内法になるんです。これが批准です。(締結の一つの方法です。)
日本では、憲法の下、法律の上。
国によって、手続きが違ったり、批准が不要だったりとかします。
条約の位置も違ったりします。


3ヶ国以上の国の間で条約を結ぶことが多いです。
多国間条約といいます。

これにたくさんの国で署名して「こんな条約で良いよね」と確認します。これで条約の内容が決まります。
署名した国=署名国

その後、批准しちゃうのです。署名した国に限りません。

署名だけして、批准しないこともあったりするのです。
普通の多国間条約は、少しの国の間だけで決めても意味が無いので、意味がある国の数を決めておいて、その数を批准国が超えると発効する、と決めてあるのが普通です。

外務省のページにわかりやすい図(PDF)があるので、どうぞ。 



国連憲章の前文の全文と、第1条の一部の日本語訳を載せておきます。
国連広報センターのページの引用です。

もっとんが、キーワードと思う言葉を太字にしました。 

日本の憲法の前文と9条に似てません? 


国連憲章の前文

われら連合国の人民は、 
われらの一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い、
基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小各国の同権とに関する信念をあらためて確認し、
正義と条約その他の国際法の源泉から生ずる義務の尊重とを維持することができる条件を確立し、
一層大きな自由の中で社会的進歩と生活水準の向上とを促進すること
並びに、このために、
寛容を実行し、且つ、善良な隣人として互いに平和に生活し、
国際の平和及び安全を維持するためにわれらの力を合わせ、
共同の利益の場合を除く外は武力を用いないことを原則の受諾と方法の設定によって確保し、
すべての人民の経済的及び社会的発達を促進するために国際機構を用いることを決意して
、 これらの目的を達成するために、われらの努力を結集することに決定した。
よって、われらの各自の政府は、サン・フランシスコ市に会合し、全権委任状を示してそれが良好妥当であると認められた代表者を通じて、この国際連合憲章に同意したので、ここに国際連合という国際機構を設ける。


第1章 目的及び原則

第1条

国際連合の目的は、次のとおりである。
1.国際の平和及び安全を維持すること。そのために、平和に対する脅威の防止及び除去と侵略行為その他の平和の破壊の鎮圧とのため有効な集団的措置をとること並びに平和を破壊するに至る虞のある国際的の紛争又は事態の調整または解決を平和的手段によって且つ正義及び国際法の原則に従って実現すること。
2.人民の同権及び自決の原則の尊重に基礎をおく諸国間の友好関係を発展させること並びに世界平和を強化するために他の適当な措置をとること。
3.経済的、社会的、文化的または人道的性質を有する国際問題を解決することについて、並びに人種、性、言語または宗教による差別なくすべての者のために人権及び基本的自由を尊重するように助長奨励することについて、国際協力を達成すること。
4.これらの共通の目的の達成に当たって諸国の行動を調和するための中心となること。