法人って、団体のこと?
個人でないのが、法人?
違います。
人の集まり(団体、社団)は、法人も有りますし、法人ではないものも有ります。
財産の集まり(財団)の法人もあります。
そもそも、法人って何か?ですが、
その前に、自然人について知った方がわかりやすいです。
自然人っていうのは、人間のことです。日本人でも外国人でも、赤ん坊でも、すべての人間です。
この他に、法律上、人にしましょう、と、認められたのが、法人です。
自然人と法人と合わせて、民法などでは「人」といいます。法律用語としてですよ。
この「人」というのは、権利が有ったり義務を負ったりする。他人と契約を結んだりする。そういうもののことです。
(民法でも他の法律でも、人と言ったら、普通の人間のことをいう場合もたくさん有りますけれどもね。ややこしい(-_-;) )
民法 第一編 総則、第三章 法人 に書いてあります。(第二章は「人」です。これは自然人のことです。)
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(法人の能力)
第三十四条 法人は、法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。
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この「定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において」っていうのは無視して良いです。イギリス法が影響してる条文ですが、裁判所もすごく広く解釈していますので(実質的には無視してる)。
なお、法人の種類によって、法律が違いますので、この民法34条が適用されるとは限りませんが、どの法人も同様の規定があります。なぜ、自然人以外に法人なんてものを認めるのかといいますとね。
大きな意味が2つ有ります。
内部に対して、と、外部に対してです。
まず、外部に対しての話ですが、
どこかの企業が、
人を雇うとき、雇用契約を結びます。
物を売るとき、売買契約を結びます。
物を買うとき、売買契約を結びます。
建築会社は、工事するとき、請負契約を結びます。
病院は、患者さんと、委任契約などを結びます。
法人自体、自然人ではないので、動けませんから、
代表として動く社長さんとか、営業の人や店員さん、と契約していますよね?
でも、契約相手は、法人なのですね。
お店屋さんの店長さん個人と契約をしてる場合も有ります。これは個人事業主さんなのですね。法人ではないのですね。
屋号というのも有りますが、あくまでもお店とかの名前で、法人ではないです。あくまでも個人は個人)
次に内部の話です。
法人だと、みんなの物はみんなの物として、登記したり(不動産など)、できます。
(株式会社の構成員について、みんなの物については、このブログの他の投稿で書きました。会社員とは何か?会社の構成員(メンバー)?)
貸したり、担保に入れたりも、借りたりとかも、法人としてできます。
でも、個人事業主さんは当然ですが、
法人になっていない団体などは、代表者とかの名前でしか、できないのです。
つまり、代表者がネコババしやすいし、責任は代表者が全部被ることになります。
大変なんですよ。
(一応、民事訴訟法とか、あるいは理屈で、法人と同じように扱ってくれる例外も有りますが)
なぜ、法人というのが必要か、わかった所で、法人には、どんなものがあるか、っていうお話しです。
中小企業経営者の方は、法人会も有りますし、株式会社とか合同会社とかをすぐ思い浮かべますね。
他の方々は、法人とついているもの、学校法人とか宗教法人とかを思い浮かべるでしょう。
独立行政法人とか、国とかの関係のことをやっているところを思い出す人もいるでしょう。
いろいろなのが有りますが、全部、法人なのです。
共通して言えるのは、法人をでっち上げる法律が無いとダメってことです。(スイスとかだめじゃない国も有ります)
その上で、所管庁(その分野を管轄してる役所)の許可とか認可だったり、認証だったりがあって、登記をすれば、法人の出来上がりです(設立)。
法人によって、法律も違います。所轄官庁も違いますし、設立のハードル(認可とか)も違います。
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(法人の成立等)
第三十三条 法人は、この法律その他の法律の規定によらなければ、成立しない。
2 学術、技芸、慈善、祭祀、宗教その他の公益を目的とする法人、営利事業を営むことを目的とする法人その他の法人の設立、組織、運営及び管理については、この法律その他の法律の定めるところによる。
(登記)
第三十六条 法人及び外国法人は、この法律その他の法令の定めるところにより、登記をするものとする。
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最初の疑問。
団体なのに、法人でないもの
学校の同窓会(学校は、学校法人だったり、国立大学法人だったりしても)
学校のクラブ
町内会で、法人になっていないもの。(平成3年から法人になれることに)
労働組合で、法人になっていないもの。
宗教団体だけれども、宗教法人になっていないもの。
他にいくらでも有りますが。
次に、法人なんだけど、ちょっと意外なもの。
地方公共団体(都道府県とか市町村など)
よく、「都庁に売る」とか、「取引先が市役所」とか、言いますね。
正確には、「東京都に売るとか」、「取引先が○○市」、となります。
(都庁の庁舎に納入する場合もあるとは思いますけども)
あと、かなり専門的な話ですが「国家も法人だ」という理屈が一般的です。