今日は、天皇(明仁)陛下の82歳のお誕生日です。


そこで、天皇って何?というお話です。


ぶっちゃけ、歴史的には、時代によって、様々なのです。


ものすごく古い時代のことはよくわかっていませんが、すごい実力があった時代っていうのは、少ないのではないでしょうか?(右ばっかり向いている方に怒られそうですが)


大日本帝国憲法(明治憲法)では、神で、統治権の総覧者(国を治めることはまとめてできちゃう)で、勅令(天皇が出す命令で法律と同じ効力)とか発したりできる立場でした。

でも、実際は、天皇陛下の言葉をほとんど聞くことはせず、利用されているだけが多かったと思います。(また、おこられちゃう(>_<) )


1945年に戦争が終わって、1946年に日本国憲法ができました。(施行は1947年)


憲法第一章は天皇です。


-------------------------------

第一条  天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

-------------------------------

象徴って言葉はよく聞きますけど、なんでしょうね?

英語でシンボルですね。

早い話、国のシンボルが日の丸、平和のシンボルが鳩、そういう話です。

日本のシンボルで、日本国民が一つの国の国民としてまとまっているシンボルだっていう話です。


1条にも書いてありますけど、主権(国を治める権限)は国民に有ります。

だから、日本は君主制ではないってことになります。

でも、今の時代、王様がいて、元首(外に対して国を代表する人)だの主権者だの言っても、立憲君主制で形だけ。

実質は民主制っていう国ですね。


だから、日本もあくまでも明治憲法との違いをはっきりさせたかっただけで、立憲君主制ということで、天皇が元首、で良いのでは?という人もいます。

まあ、どっちでも、大した違いは有りません。


むしろ、大きいのは、天皇の地位が「国民の総意に基づく」、ってことです。

つまり、国民みんなが天皇制を無くしてしまえ、と思って、憲法改正するのは、今の憲法自体が、もろに想定している、アリなことだということです。

(だからと言って、左ばかり向いてる方みたいに、大騒ぎするつもりは有りません。)


天皇皇后両陛下は、圧倒的に不自由なことが多いと思います。

しかし、高潔で徳が有るように思います。自分の治療の予定なども国民の都合に合わせる方です。

国民統合の象徴として、あるいは良い国の日本の象徴として、お役目を果たされていると思います。

しかし、戦前のように、天皇陛下を利用して、国を自分たちの好きな方向性にしたいと思っている人間たちには、断固反対します。


ちょっと難しい話をしますと、

昭和の始め頃、まだ戦前で明治憲法の時代、天皇機関説事件っていうのが有りました。1935年(昭和10年)のことです。

美濃部達吉という優秀な憲法学者がいらして、国家法人説っていう、ドイツで言われ始めた学説を紹介したんですね。

会社などと同じように、国家も社団法人の一種で、一つの(法律上の)人格として、外国に対して、行動する。国内については帝国議会や裁判所と同じように、天皇も国の機関の一つだ(天皇機関説)、と言ったんですね。

立憲君主制の考え方です。


明治憲法は、外見的立憲主義の憲法です。見せかけの憲法ということです。

もともと、立憲主義は、人権を守るのが目的で憲法を作ることで国民の自由を邪魔する国家権力を制限しよう、という考え方です。

当時のイギリス、フランスなどは、憲法を作って、自由主義で、経済的に発展して、軍備も強かったです。(イギリスは厳密にいうと憲法を作ったとは言えませんけど)

ですから、当時の後進国の、プロイセン(今のドイツの国)、イタリア王国は、うわべだけ、憲法を作って、自由主義経済にして(経済的自由権を大幅に認めて)、先進国の仲間入りをしようとしたのです。両方とも王様のいる国です。

日本も、幕末(江戸時代の終わり)や明治の最初はアメリカの憲法に憧れたのですが、伊藤博文などが、プロイセンの憲法をまねして作ったのが、明治憲法(大日本国憲法)なのです。

明治憲法では、臣民の権利、という言葉が使われました。

天皇から、家来である国民に、与えられた権利、という意味です。

人権は、人間なら例外無く平等にある権利、という発想なのとは別物です。


そんな明治憲法でも、美濃部達吉は、立憲主義的に解釈しようとした、立派な憲法学者なのですが、本家のドイツでは大丈夫な学説も、当時、国全体が危ない方向に行き始めた日本では、軍や右翼を中心に猛反発されます。天皇に対する不敬だということです。

天皇をちょっとでも悪口っぽく言うと犯罪になる時代でした(不敬罪)。

ですが、本質は、国や軍の方針に逆らう国民などを牽制したかったのだと思います。


何が言いたいか、というと、国を全体主義にして、国民を苦しめて、戦争をすることに、天皇と神社神道を利用した、っていうことです。


-------------------------------
第二条  皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範 の定めるところにより、これを継承する。

-------------------------------

世襲っていうのは、親子兄弟親戚で引き継いでいくってことですね。

皇室典範は法律です。

戦前の皇室典範は法律とは違う、国民には内緒の、特別なものでした。

今は他の法律と同じように、国会で自由にできます。


-------------------------------

第三条  天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。
第四条  天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
○2  天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。

-------------------------------

国事行為っていうものです。

象徴としてできる形式的なことだけできますし、自分の考えではできません。

政治的なことは一切できません。

選挙権も有りません。

当たり前と思います?

天皇は、参政権の他、職業選択の自由、婚姻の自由、子供を作る自由、財産権など、非常に多くの人権を制限されているのです。

天皇も人間ですのに。

憲法公認の例外です。

皇族もいろいろ有ります。


5条から8条は、興味のある人は読んで下さい。

5条は、摂政について。天皇の代わりをする人についてです。

臨時に代行する場合は、摂政とは別に法律が有ります。

6条は、総理大臣と最高裁判所長官の形だけの任命権。

7条は、国事行為について、箇条書き。

8条は、皇室の財産が、皇族の思い通りにならないこと。


ところで、憲法とかの話ではないですが、天皇って、皇帝なんですよね。王様ではない。

英語で、エンペラーって、海外では呼ばれます。

今どき、エンペラーって、世界では珍しい。日本だけでしょう。

外国の君主は、キング(王)かクイーン(女王)ですもんね。
dukeやprinceの治める国もありますね。