法律の解釈の話をしようと思います。


法律の解釈の話はややこしいのが多いので、

簡単で、なじみやすい話をします。


法律で「人」の意味です。


法律や条文によって、その条文の趣旨にあった解釈が有りますので、

法律によって、場合分けします。



まずは、刑法から


犯罪と犯罪に対応する刑罰が、書いてあれば、刑法です。

刑法は、「刑法」という名前の法律の他にも、いろんな法律にあります。


刑法の解釈は、シビアにしなければいけません。


あらかじめ、何が犯罪か知らされていない、とか、あいまいだったりして、普通に生活していたつもりが、いきなり、それは犯罪だ、と言われたら、困るでしょう?

「殺人」とか「窃盗」なら、わかりやすいですけど、

悪いことだけど犯罪ではない、とか、外国では犯罪ではないけど、日本だと犯罪とか。



刑法は、「犯罪と刑罰を、法律ではっきりさせとかなければいけない」、っていう原則が有ります。

罪刑法定主義といいます。

せっかく法律で決めても、テキトーに広げた解釈をされると困るので、普通の人がわかる言葉の範囲で解釈しましょう、ってことになっています。日本の裁判所の解釈はもうちょっと広かったりしますが(^o^;

このように、罪刑法定主義は自由主義からの意味があります。むずかしいですか?

そして、国会で法律にすることで、民主主義からの意味もあります。


これは、刑法全般の話です。
 

具体的な話がわかりやすいですし、「人」と一口に言っても、条文によりますので、

重過失致死傷、傷害、傷害致死、殺人などの被害者(傷を負ったり、殺されちゃったり)の「人」とは何か? って話をしましょう。


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(殺人)

第百九十九条  人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

(傷害)

第二百四条  人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

(傷害致死)

第二百五条  身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。

(過失傷害)

第二百九条  過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。

 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

(過失致死)

第二百十条  過失により人を死亡させた者は、五十万円以下の罰金に処する。

(業務上過失致死傷等)

第二百十一条  業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

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まず、この場合の人は生身の人間ですね。(法人とかではない、ってことです)
そして、チンパンジーとかはだめです。


人間と人間でないのの境目を考えれば良いのですが、なんでしょう?


生まれたときと、死んだときを考えれば、良いわけです。




まずは、生まれたとき

人が生まれる前、お母さんのお腹に入っている状態のことを胎児といいますね。

胎児を殺したり、、産むより早く流産させると、堕胎罪(だたいざい)という罪になります。殺し方や故意か過失かでも犯罪の種類が別れますが。


生まれたかどうか=「胎児」が「人」になったかどうかの区別は、堕胎罪と殺人罪を区別することになります。


堕胎も相当ひどい犯罪ですが、殺人などよりは刑罰がだいぶ軽いので、区別は重要です。



刑法 第二編 罪

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  第二十九章 堕胎の罪


(堕胎)

第二百十二条  妊娠中の女子が薬物を用い、又はその他の方法により、堕胎したときは、一年以下の懲役に処する。

(同意堕胎及び同致死傷)

第二百十三条  女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させた者は、二年以下の懲役に処する。よって女子を死傷させた者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

(業務上堕胎及び同致死傷)

第二百十四条  医師、助産師、薬剤師又は医薬品販売業者が女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させたときは、三月以上五年以下の懲役に処する。よって女子を死傷させたときは、六月以上七年以下の懲役に処する。

(不同意堕胎)

第二百十五条  女子の嘱託を受けないで、又はその承諾を得ないで堕胎させた者は、六月以上七年以下の懲役に処する。

 前項の罪の未遂は、罰する。

(不同意堕胎致死傷)

第二百十六条  前条の罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

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では、殺人罪や傷害罪とかの「人」は、どこからか。

お母さんのお腹から少しでも出て、直接攻撃できるようになったときです。

(一部露出説です。判例です。)

こんなことするバカがいるとは思えませんが、法律学者とかは、こういうことをマジメに話しちゃうのです。因果な学問ですね(^_^;)

目的をわからず面白がっている法律オタクは嫌ですよね。

私、もっとんも、こういうことを書いていて、いっしょにされると、困りますが (^o^;




では、次の境目、人間が人間でなくなるとき、つまり、死んだとき


「人」か「死体」かの区別は、

ナイフで突いた場合は、傷害または殺人 か 死体損壊 のどちらかの問題。

穴に埋めた場合は、殺人(生き埋め) と 死体遺棄 のどちらかの問題。


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   第二十四章 礼拝所及び墳墓に関する罪 (188条~192条)


(死体損壊等)

第百九十条  死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する。

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死体損壊と死体遺棄は同じ条文です。墓に入っている死体については別の条文です。


では、「どういうときに死んだと言えるか」です。


3つの徴候(呼吸停止、心臓停止、瞳孔拡散)があったときです。

正確には、呼吸と、心臓には、不可逆的(ふかぎゃくてき)という言葉がつきます。

なんか、難しい言葉ですが、後戻りできないってことです。

瞳孔拡散(どうこうかくさん)、って言葉も難しいですね。

生きている人は、まぶしいと瞳孔が小さくなります。

これが開きっぱなしになるってことです。


病院で人が亡くなった場面に居合わせると経験しますが、お医者さんが、確認しているはずです。

特に、瞳孔拡散は、機械とかに頼らず、お医者さんが、目を開けて、光を当てるでしょう?


今までこの解釈でやってきましたし、今もこの解釈でやっています。


でも、問題が起きました。


脳死と臓器移植です。


まず、脳死とは何か、について説明します。

(知ってる方は読み飛ばして下さい。法律の話ではないので)


もっと詳しくは、日本臓器移植ネットワークのページを見て下さい。脳死と植物状態


脳は、大脳、小脳、脳幹に別れます。さらに、間脳が有ったり、脳幹がさらに3つに別れたりです。

植物状態についても誤解があるかもですが、大脳が死んでるかほとんど機能していなくて、脳幹だけ生きている。呼吸、心臓などが、自分でできています。


脳幹っていうところは、生命を維持する最低限のことを、勝手にやってるところで、これが死んじゃうと、完全にアウトです。


昔は、脳死とか気にしなかったのです。

なぜかっていいますと、3つの徴候は、(比較的)簡単に確認できるし、3つの徴候があれば、多少の時間差はあっても、完全に死んじゃいますので。


ところが、医療機器が発達した今の世の中、病院に運ばれた患者さんが、頭とか打ったりとか病気とかで脳にダメージがあって、相当弱った状態で運ばれて来て、呼吸が弱っているから、生命維持装置(人工呼吸器など)をつけなきゃ、ってなるわけです。

それで、めでたく回復すれば、良いんですが、運悪く、そのまま、脳幹を含めた脳全体が死んでしまうことがあるわけです。脳幹死=全脳死=脳死。

生命維持装置がつけっぱなしなので、呼吸はしていて、心臓が動いたままなのです。身体が死んでいないのです。生命維持装置をはずすと身体も死にます。

そのままほうっておくと、結局は、ふつう、数日で死んでしまうのですが。


結局、3つの徴候は無いけど、脳が死んでる、という状態=脳死が生まれます。


脳死の説明は、ここまで----------------------------------



脳死したって、ほうっておけばいいじゃんか、と。

そのまま、放置をして、身体も死ぬのを待てば、いいじゃんか、と。

あるいは、生命維持装置をはずしてしまえばいいじゃんか、と。

(表現が露骨ですみません)


ところが、ここで、問題が生まれます。


もし、脳死が死でないと、生命維持装置をはずした医者は殺人罪になるのです。

(じき死んじゃうにしても、はずしてすぐ死んじゃいますから)

家族に頼まれてやった場合は、家族は、殺人教唆です。


でも、今は、臓器移植やっていますよね?

法律はどうなっているのでしょうか?


1997年に法律ができました。普通は、臓器移植法と呼ばれています。


臓器の移植に関する法律

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(臓器の摘出)

第六条  医師は、次の各号のいずれかに該当する場合には、移植術に使用されるための臓器を、死体(脳死した者の身体を含む。以下同じ。)から摘出することができる。

 死亡した者が生存中に当該臓器を移植術に使用されるために提供する意思を書面により表示している場合であって、その旨の告知を受けた遺族が当該臓器の摘出を拒まないとき又は遺族がないとき。

 死亡した者が生存中に当該臓器を移植術に使用されるために提供する意思を書面により表示している場合及び当該意思がないことを表示している場合以外の場合であって、遺族が当該臓器の摘出について書面により承諾しているとき。

 前項に規定する「脳死した者の身体」とは、脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に停止するに至ったと判定された者の身体をいう。

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臓器移植をするために、医者は、死体から臓器を取り出して良いですよ。(条件付きですけど)

その「死体」っていうのには、「脳死」した人も含みますよ。


となっているわけです。


もし、この条文が無いと、脳死して、身体が生きている=三徴候説では「人」から臓器を取り出すと殺人罪なのです。

取り出しても死なない臓器(腎臓の片方、骨髄など)は、ドナーを募って、生体移植しますが。

脳死だと、そういう臓器でも、身体がまいっちゃうかもですが。


刑法の総論の話ですが、

脳死の場合、無罪になるにしても、2つの論理構成が考えられます。、

そもそも、殺人罪に当たらないのか(構成要件に該当しない)、

それとも、一応形は殺人罪になるけれども(構成要件に該当する)、違法性が無い、結局犯罪ではない(無罪)になる。


実務でやっているように、ふだんは三徴候説で、臓器移植のときだけ脳死説だと、刑法199条の「人」の意味が2つあることになってしまいます。

条文は、どちらともとれる書き方ですね。死とは何か、という議論を避ける狙いが有ったと思います。西洋と違って、日本では、割りきって考えることができなかったようです。
ずいぶん、反対も多く有ったようでした。西洋よりだいぶ法律の整備が遅れました。

医療関係者や脳死者の家族、臓器を必要とする患者を、相当悩ませてしまいました。

結局、議員立法でやっと成立しました。(内閣提出法案ではなく、議員が提案してできる法律)


余談ですが、脳死でなくて、3つの徴候が現れた後の死体も、臓器を取り出して、移植することがあります。6条もそれを想定しています。
角膜なんかは昔からやっていますね。

脳死したばかりの死体の臓器の方が新鮮で良い(臓器によっては死んじゃう)のですが、そこまで新鮮でなくてもできる臓器移植もあるということです。


刑法の殺人とかの話なので、表現が露骨で、すみませんでしたm(_ _)m

窃盗とか詐欺とか放火の話にしようかと思ったのですが、ものすんごく難しいので。





次に、民法で「人」とは何か? という話です。


以前、法人って、団体のこと? で簡単に説明しましたね。

普通の人間=自然人

法律上でっちあげた人=法人

両方、あわせて、民法上「人」です。

と、言いました。


今日は、自然人(狭い意味での人)の説明をします。


民法 第一編 総則 第二章 人

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   第一節 権利能力

第三条  私権の享有は、出生に始まる。

 外国人は、法令又は条約の規定により禁止される場合を除き、私権を享有する。

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この第1節は、この第3条しかありません。


権利能力というのは、権利があったり、義務があったりできるということです。


第3条1項に「私権」という言葉が出てきますが、民法とか商法(私法)での権利のことです。

民法を知らないとさっぱりわからないじゃないかっ、という話ですね。

民法は、財産権身分権(家族関係の権利)を決めています。

他に、人格権もあります。
財産権の一種で、社員権(株主の権利などのこと)もあります。
社員権については、会社員とは何か?会社の構成員(メンバー)?

商法も財産権についてですね。
私法=民法+商法です。

上の説明を読んでも、さっぱりわからないかも知れません。すみません。

民法については、国民に一番身近な法律なのに知られていないので、別の機会に書きます。


それで、いよいよ本題。


「私権の享有は、出生に始まる。」は、

私法上の権利義務は、生まれたときから、持てるようになります。ということです。

生まれたら、「人」ってことです。法律用語で、「権利能力がある」といいます。

権利を得たり、義務を負ったりは、契約とかでできますが、これは、行為能力といいまして、未成年とかは大人と同じではありませんね。未成年については、成人って何? 成人の日だし。18歳選挙権ももうすぐ始まるし。で説明しました。(他にも行為能力の無い人もいます。)


この場合、刑法と違って、ちゃんと外に全部出て、自分で息を始めたら、出生です。

この辺、微妙に学説が別れていますが。民法の条文に書いていないのが悪いのです。


赤ん坊に権利があるとか言ったってしょうがないじゃん。とか思うかも知れませんね。

でも、

生まれると、相続ができますよね。


ここで、賢い人は考えるわけです。

「だって、お父さんとかが死んじゃうのが早いか、子供が生まれるのが早いかで、相続の仕方が変わってきちゃうなんて」と。

「所詮、法律なんてそんなもんよ。」と言う人もいるかも知れませんが、

日本の法律はそうなっていません。


相続損害賠償について、例外が有ります。



一つ目の例外 相続について。


民法 第五編 相続 第二章 相続人

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(相続に関する胎児の権利能力)

第八百八十六条  胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。

 前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、適用しない。

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1項にある「みなす」というのは、本当はそうじゃないけど、そういうことにしちゃいましょう、っていうことです。

胎児は、相続の話をするとき限定で、生まれちゃってることにしましょう=相続できちゃうことにしましょう。

ただ、かわいそうに、死産(出てきたときに死んでた)だと、元も子もないので、原則通りしなかったことにしましょう(2項)

となっています。


2つ目の例外 損害賠償について


たとえば、普通は、だれかがケガをしたとき、ケガをした被害者本人が、加害者に対して「治療費払え」「会社休んだ分の給料払え」「精神的損害を負ったから慰藉料(いしゃりょう)払え」と言います。

ところが、だれかが死んだ場合、家族が、
1.(相続した遺族の場合)相続した損害賠償を請求。
2.遺族自身の損害賠償を請求。


胎児も、そういう場合に、損害賠償請求権がある、っていうのが、この条文です。


民法 第三編 債権 第五章 不法行為

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(損害賠償請求権に関する胎児の権利能力)

第七百二十一条  胎児は、損害賠償の請求権については、既に生まれたものとみなす。

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この2つの例外の話も、学説が分かれます。

相続の例外の話は、

生まれたときに、相続が確定するんだ、っていう説と

死産・流産だったときに、相続しなかったことにするんだ、っていう説


損害賠償請求権の例外の話は、

うまれたときに、損害賠償請求権が確定するんだ、っていう説

死産・流産だったときに、損害賠償請求権が無かったことにするんだ、っていう説


何のために、こんな話をするかといいますと、相続権が発生したとき(被相続人が死んだとき)と損害賠償請求権が発生したとき(近親者が死んだとき)に、胎児でも大丈夫なんですが、

生まれる前(胎児のうち)に手続きを進められるかどうか、が違ってくるんです。


今までは、判例・通説とも、一応、認めるにしても、生まれたら初めてできることになる、っていう説をとっていました。

この説の場合、

相続の場合は、遺産分割をするのは、生まれた後まで待たなければいけない。

損害賠償請求は、請求するのを、生まれるまで待たなければいけない。


ところが、死産・流産だったとき、無かったことにする説だと、

生まれる前に、遺産分割をして、死産・流産だったら、遺産分割しなおす。

生まれる前に、損害賠償請求して、死産・流産だったら、引っ込める。もらってたら返す。

とかいうことになります。


昔は、死産も多かったので、判例の考えでも良かったかもしれませんが、今は、死産が少なくなっているので、考え方を変えた方が良いという学者が多いです。


次に、民法で、人でなくなる場合


死んだら、人でなくなります。

権利能力が無くなります。条文はありません。
昔の学者は、当たり前のことは条文に書かないで良い、と思っていたようです。


相続が開始されます。死んだ人(被相続人)から子供とか奥さんとかに相続されます。(相続人) 


第五編 相続 第一章 総則 の最初の条文です。

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(相続開始の原因)

第八百八十二条  相続は、死亡によって開始する。

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婚姻(結婚)は解消です。(いわゆる、「死別」ですね)

委任契約も終わります。委任者、受任者どちらでも。(653条) 


他にもいろいろ有りますが、キリが無いし、ちょっと難しいのでやめます。

簡単に言いますと、死んでも終わらないものは、相続されることになります。 



死亡について、一つ、例外的なものとして、
失踪宣告があります。


失踪宣告っていうのは、どっか行っちゃったまま行方不明とか、事故とかで行方不明とかの場合に、ある程度たった後、家族とか契約関係にある人との間で、死んだことにしましょう、っていう制度です。(民法 第一編 総則 第三章 人 第四節 不在者の財産の管理及び失踪の宣告 の後半に条文があります。)

周りの人は、帰ってくるまで、再婚もできない、財産を管理しなきゃいけないでは大変ですから。

どこかで、生きていた場合、本人は、もちろん、法律上「人」のままです。

失踪宣告で死んだことになった後に帰ってきたりすると、面倒くさいことになります。

この辺も条文に書いてあります。

昔、沢口靖子さん主演のNHK朝ドラ「澪つくし」で、こういうストーリーがありました。


次の第五節は1条しかありません。

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第五節 同時死亡の推定

第三十二条の二  数人の者が死亡した場合において、そのうちの一人が他の者の死亡後になお生存していたことが明らかでないときは、これらの者は、同時に死亡したものと推定する。

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赤の他人なら問題が無いのですが、

もし、家族・親戚が、ほぼ同時に死んだ場合、

順番によっては、

ある人は相続人になり、ある人は相続人でなくなる、とか、

相続分が増えたり、減ったり、ってことになるのです。


だから、わからないときは、同時にしましょう、ってしました。

条文にある「推定する」っていうのは、「もし、反対の証拠が無かったら、そういうことにしましょう」という意味です。

この場合は、同時でない証拠、順番がわかる証拠が無かったら、という意味ですね。



もう一つ、失踪宣告と似たものに、認定死亡があります。

戸籍法の条文です。

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第八十九条  水難、火災その他の事変によつて死亡した者がある場合には、その取調をした官庁又は公署は、死亡地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。但し、外国又は法務省令で定める地域で死亡があつたときは、死亡者の本籍地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。

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あくまでも、戸籍法という手続きの法律の話なのですが、

民法上死亡したと同じになって、婚姻は解消、相続が始まる、という効果があります。

死亡の確認がちゃんととれなくても、死亡しただろうと十分考えられる状況があった場合は、OKと解釈されて、運用されています。

2011年の東日本大震災のときも、この制度が使われました。

条文を比べるとわかりますが、失踪宣告よりも、面倒が無いです。
大きな事故や災害のときしか使えませんが。



ごあいさつ

いつも、長い文章を読んでいただきまして、ありがとうございます。


「法律の解釈の話はややこしいのが多いので、
簡単で、なじみやすい話をします。」と書きましたが、十分ややこしかったですねm(_ _)m

法律の解釈って、ややこしくて、
・日本語として読んだだけではわからないのね、
・背景にある知識があるだけでも、わからないのね、
ということがわかってもらえれば、目的達成なのでした。

前から、書こうと思ったテーマで、最近下書きはできていました。 昨日、脳死がキーワードになるニュースがあったので、急いで仕上げて、投稿した次第です。 亡くなられた少女のご冥福をお祈りするとともに、移植を受けられる方々の健康をお祈りします。