憲法の話を、毎日のようにニュースで見ます。

多いのが、憲法改正ですね。


「憲法を改正すべきだ」って言う人と、

「憲法をまもろう」って言う人。


改憲とか、護憲とか


世の中の多くの人は、この対立そのものに、違和感が無いみたいに見えます。

なんか、日本の政治とか憲法を語るときに、定着していることのように思えます。


でも。

普通に憲法を勉強したことがある人には、正直なところ、意味がわからない話なんです。

逆から言えば、改憲、とか、護憲、って言ってる人は、憲法がわからないで言ってるか、わかっててあえて自分たちのために言ってる悪い人なんです。

憲法は、あくまで手段なんですよ。憲法自体が目的になってしまってる。下らん。

みんなの幸福のための手段である憲法を、自分たちのための手段にしている、という言い方もできるかも知れませんね。



まず憲法を改正してはいけないの?、っていう話からです。


憲法は、人間が作ったものです。

だから、

作ったときに、想定していなかったことがあったりします。

間違いも有るかも知れません。


だから、憲法自体に、改正手続きを定めています。1条(第96条)しか無い第九章です。

改正がありえること自体、憲法自体が、当たり前じゃん、って言ってるんです。

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  第九章 改正

第九十六条  この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

○2  憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

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たとえば、新しい人権(昔は、人権として考えられていなかったもの)を憲法の条文に入れましょう、という話。

プライバシー権とか、環境権とか。

一応、(個人の尊厳原理と幸福追求権を定めた)13条などを根拠に、ある程度解釈で認めていますが、独立した条文で、人権の名前を書いた方が良いに決まっています。


憲法89条は、宗教団体や私的な教育事業などに公金(国などのお金)を出すことを禁じていますが、この条文も問題があります。


第七章 財政の中の条文です。

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第八十九条  公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

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宗教団体にお金を出さない、のは、もちろん良いことです。政教分離からです。

でも、私立の学校にお金を出さないのはまずいですし、実際、いっぱい出しています。解釈で一応OKになっていますが、条文の言葉を変えた方がすっきりします。



他にも、大きく変える話だと、


二院制をやめて、一院制にしよう。

参議院の力を強化しよう。

参議院に、職能代表を入れよう。

憲法裁判所を作ろう。

最高裁判所が抽象的違憲立法審査権を持つようにしよう。

首相公選制にしよう。

天皇制をもう少しはっきりさせよう。

天皇制を廃止しよう。


など、論点をあげるといっぱいあります。

細かい論点(言葉づかいを直した方が良い、とか、もう少し具体的に書いた方が良い、とか)をあげたら、かなり多くあります。


アンテナを張っていないと、なかなか、入ってこない話だと思います。


いずれにしても改憲=軍国主義者だから、悪いやつ、みたいなのは、やめましょう。




次、「改正すべきだ」、って人


1.押し付け憲法だから、改正しよう、とか。

2.義務が少ないから、改正しよう、とか。

3.普通の国のように、軍隊を持ちたいから、改正しよう、とか。


1と2はまったくナンセンス。

3はビミョー。


押し付け憲法ではないし、押し付けだったとしても、改正の理由にはならない。


GHQ=(連合国軍)総司令部が作った草案が元だから、押し付けられた。

というんですが、

松本試案という案を作っていまして、明治憲法よりは進歩的だったみたいですが、天皇主権の体制=国体を変更していないものでした。

他のもうちょっと進歩的な案も作っていたらしいのですが、GHQに提出する前に、毎日新聞にスクープされちゃったんですね。

天皇制を残すことを、GHQ草案受け入れの条件にされたようです。

まあ、形を変えたとはいえ(象徴天皇制)、天皇制を残すことについて、よく連合国を説得できたなぁと驚きますが。


そもそも、占領されているのに、間接統治という形で、GHQの下とはいえ、日本の統治機関による政治をさせてもらって、新憲法の草案を作らせてもらうチャンスを与えられただけ、すごいことです。


さらに、GHQの草案を下地にしたとはいえ、日本の政府が草案を作って、衆議院で男女平等の普通選挙を実施した上で開かれた帝国議会で、多くの修正や付け加えが有って、できた憲法です。

そして、この新しい憲法を、当時の国民は、喜んで受け入れた。


これって、押し付けですか?


たしかに、ちょっと見たとき、日本の憲法の成立の過程は、ちょっと不幸な感じがしますね。

でも、新しい憲法ができるときって、大きなこと(戦争とか革命とか)が起こった後が普通なんですよね。

日本は、敗戦がきっかけとはいえ、かなり良い方なのではないでしょうか?


憲法制定の過程については、国会図書館のサイト内の日本国憲法の誕生に詳しいです。


内容も、当時の各国の憲法の良いところに学んだ、先進的な内容でした。

また、日本の人権侵害の歴史を踏まえたものにもなっていました。

(信教の自由の具体的条文、政教分離の徹底、刑事手続の適正に関する具体的条文、学問の自由、家庭内の男女平等、社会権(生存権、労働三権など)を規定、戦争の放棄など多数)

刑事手続に関する条文などは、刑事訴訟法の条文ではないか、と思うほどです。

同時に改正された刑事訴訟法も、この憲法の条文を踏まえた内容になっています。

ちゃんと守られていませんけど。



そもそも、なんのために憲法があるか、といえば、人権を保障するためです。

国家が人権を侵害しないために、国家に義務を課しているものです。

民主主義を確保しつつ、人権を侵害しないように、国家の統治機関(立法、司法、行政)を、作るためです。


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   第十章 最高法規

第九十七条  この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。

第九十八条  この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。

○2  日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。

第九十九条  天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

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だから、最高法規の章に、人権の意義について書いてあるの(97条)はすばらしいことです。

98条は、読んでいただくとして、(憲法に反する法令は無効、、国際法規遵守)

99条に、公務員の憲法をまもる義務が書いてあるのは、当然すぎることだし、良いことです。


内容が良ければ、仮に押し付けだったとしても、あえて変える必要が無いし、国民の義務を書いていない(少ない)のは当たり前すぎることです。


この辺のことを変えよう、と言うのであれば、できたものは、名前はともかく、憲法ではなくなってしまいます。


自民党は、97条を削除したり、99条の義務を負う者に、国民を入れようとしていますが、憲法を憲法でない違うものに変える案です。(自民党の憲法改正草案(pdfファイル)(自民党のサイト))

人権思想自体、否定しているようです。

人権思想は、自由権を人権として、国家権力を制限して、国民の自由を守ることを憲法を作ることで実現する=自由主義=立憲主義から出発しました。

国民が、国家に守らせる義務を書いた契約書が憲法なのです。


自由民主党(自民党の正式名称)は、自由党と民主党が合体して作られた政党です。(昭和30年、1955年)

自由主義と民主主義の政党であるはずです。


立党宣言には

われら立党の政治理念は、第一に、ひたすら議会民主政治の大道を歩むにある。従ってわれらは、暴力と破壊、革命と独裁を政治手段とするすべての勢力又は思想をあくまで排撃する。第二に、個人の自由と人格の尊厳を社会秩序の基本的条件となす。故に、権力による専制と階級主義に反対する。

と書いてあります。(下線はもっとんによる。)


また、平成17年(2005年)の新理念には、

・わが党は、すべての人々の人格の尊厳と基本的人権を尊重する、真の自由主義・民主主義の政党である。

と書いてあります。


平成22年(2010年)綱領を読むと、

個人の尊重とか自由が大切というような意味が書いてあるが、同時に、秩序とか義務とかを強調していて、明治憲法のように、あくまでも国の枠組みの中で、自由が保障されている、というニュアンスを読み取ることができる。(あくまでも、私=もっとんの見解ですが)

人権思想は、そもそも、国家が成立する以前に、もともと人間全員にある権利だ、っていうのが出発点ですから、矛盾します。

以上、自民党のサイトの立党宣言・綱領のページを参考にしました。


フランス人権宣言には、こう書いてあります。(引用:「解説 世界憲法集 第3版」樋口陽一・吉田喜明 編、三省堂)

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第16条(権利の保障と権力分立) 権利の保障が確保されず、権力の分立が定められていないすべての社会は、憲法をもたない。

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ややこしい言い方ですが、憲法っていうのは、人権保障があって、権力分立(三権分立とか地方自治とか)の統治機構がある、っていうのだけをいう、と言っているわけです。

ちなみに、憲法は、最初、フランスもアメリカも、人権宣言(権利章典)と憲法(統治機構について定めていた)が別々でした。

今の憲法は、日本の憲法も、権利章典と統治機構の両方の部分からできていますね。


自民党には、自由の党の看板を下ろすことを強くおすすめします。



軍隊を持つことができるように改正しようか?という話は、なかなか難しい問題です。

そもそも、自衛隊が違憲だ、という話もありますが、

現実問題としては、とりあえず、自衛隊の整備をしっかりして、自衛以上のことをしないようにすることが重要かと思います。

この点、昨年(2015年)成立した、安保法制が違憲か合憲かの問題もありますし、そもそも、このような政策が良いのかどうか、との話もありますが、非常に難しい問題ですので、別の機会に書こうと思います。

いずれにしても、憲法を変えて軍隊を持とうとするのは、やめておいた方が良いでのはないかな、とは思います。

ちなみに、この話では9条ばかりが論点になりますが、軍事裁判所(軍法会議)を作ることを許していない憲法76条が大きな問題になります。最近、軍隊を持つ国でも、独立した軍法や軍事裁判所をやめる傾向がありますが。

また、今の憲法の下で、なしくずし的に、さまざまなことができるようになって、9条が無視されるような事態も避けなければいけないでしょう。すでに無視されてる?


これは9条に限りません。


日本は、国連から、しょっちゅう、人権に関して、勧告を受けています。

憲法違反のことが多く野放しになっているのが現状です。

中国とかアメリカのことなどは、マスコミが報じるので、知っている方も多いでしょう。

日本のことは、NHKも含めて、日本のマスコミは報じません。なぜでしょうか?

国連がなんでこういうことを言うか、ですが、

そもそも、国連がなんのためにあるのか、どういうものか、っていうことを教わっていない、のですね。組織の名前ばかり暗記させる。

今、憲法がちゃんと(形だけ守られていて)実際は守られていない状況で、憲法を守ろうとか、時代に合わないとか言っても、おばかな話なんです。

政治家も、「人権」って騒いでいたり、「人権は守るべき」と言っていても、全然認識が足りていないようです。

そもそも、人権とは何か、について、具体的に知識・教養・認識が無いのです。


人権とは何か、っていう話は、また、別の機会に書きます。

そんなに詳しく書かなくても、膨大な量の文章になってしまいます。

普通の人は、そんなの読めませんよね。僕も、そんなの読むのだるいです(^o^;


人権とは何か、という大きなテーマの他に、

具体的な人権の具体的な内容、たとえば表現の自由の中で、選挙運動について、とかを、

一つずつ書くことを積み重ねる方が、良いのかな、と思っています。



左翼=護憲?


さっき、改憲=軍国主義者だから悪いやつ、っていうのはよしましょう、って書きました。

憲法改正すべき、って言っている人が、右翼の仲間と思われると、ものすごく困ります


しかし、もっと不思議なことがあります。


左翼、っていう言葉ですが、もともとは、体制に反対している勢力のことです。

日本の体制=憲法は、自由主義を基本として社会主義的な修正を加えたものです。

これは、一部の国を除いて、多くの国の体制です。(細かいところの違いはもちろんたくさんあります。)

この体制に反対しているのが、日本の左翼、っていうことになります。

普通は、社会主義者、共産主義者のことですね。

この人たちは、革命を起こして(国の統治体制を暴力で破壊して)、国の体制(憲法)を変えようという人たちです。


今の共産党は、社会主義革命の前に民主主義革命をする、とか、言っています。今の綱領(2004年の綱領)(日本共産党のサイト)

革命が、暴力革命なのかそうでないのかの説明は有りません。普通、特別な説明が無い場合は、暴力革命=刑法の内乱罪なのですが、どうも、そうでないようなニュアンスがあるようですが。意味がよくわかりません。

綱領を見ると、憲法の全条項を守る、って言っています。

警察庁は、広報誌「焦点」で、「暴力革命の方針を堅持する日本共産党」という題の記事を書いていますが。


また、社会民主主義の人たちは、自由主義でいう民主主義(今の日本のような国の民主主義)の中で、革命を起こさず、社会主義を達成していこう(憲法を社会主義的に解釈したり、社会主義を強化する法律を作ったり、社会主義の憲法を作ったり)、という人たちです。


この人達が、憲法をまもる?

とりあえず守るにしても、

改憲がだめ?

何かの冗談ですか?


ちなみに、9条について言うと、、

共産党は、憲法を制定する議会で、9条に反対して、軍隊を持つべきだと言った、ただ一つの政党です。


政党も、その他のいろんな人も、言葉を好き勝手に使って、イメージ戦略でやっているようです。

自分たちもわかっていないのかも知れませんが、言葉に込められた先人の苦労を考えず、理念も何も無いです。もともと嘘つきだから、しょっちゅう平気で嘘をつく。嘘つきの自覚も無いのかも知れない。


冗談がまかり通る国、国民をだまして平気でいる指導者が充満している国。それが今の日本です。


こういうことを言うと、日本をしょっているつもりになっている人におこられちゃいそうです。


内容にかかわらず、日本を良く言うことで満足して、日本を悪く言うことを不満に思う人たちが多いですね。

自分自身が小さな存在で、人間的に扱われていないことの不満のはけ口になっているのでしょう。


逆に、とにかく、強いものを悪くいうことで、自分が強くなったような錯覚におちいっている人も多いかも知れません。


しかし、弱い人々を苦しめないために、国民みんな、住んでいる人みんなを苦しめないために、国をもっと良くしたい、今の日本ではだめなんだ、と言いたいのです。


日本をしょった気で、いきがっている人たち(右翼)も、強い者に反発しているだけの人たち(左翼)の思想も、私とは全然違って真逆ともいえますが、そういう人たちの味方になりたいのです。(役に立ちたい、という意味です。賛同するという意味ではないです。)


また、そういう人たちに、ドン引きして、冷静になって(しらけて)いる人たちが気の毒です。

普通の人たちが、満足する議論を提供したいです。


わかっていただけますでしょうか?