芸能人が、不倫で騒がれていますね。


そのことはともかく、

不倫をすると、、法律上、どうなるか。


不倫、っていう言葉もいろいろな意味が有りますが(本来の意味は、人のみちからはずれたこと)、

結婚してる人が、連れ合以外の人とエッチしちゃった場合です。


まず、民事の話


離婚原因になります。


民法 第四編 親族 第一章 婚姻 第四節 離婚 第二款 裁判上の離婚に書いてあります。

707条1項1号不貞行為ですね。

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(裁判上の離婚)

第七百七十条  夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

 配偶者に不貞な行為があったとき。

 配偶者から悪意で遺棄されたとき。

 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

 裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。

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項にあるように、1号に該当しても、離婚にならない場合もあるんですが、基本的には、離婚が認められます=離婚原因

1号で認められなくても、5号に書いてあるように、結婚が破綻している場合は、離婚を認めることになります。(1号~4号と書き方が違いますでしょう?)


裁判上の離婚、っていう見出しでもわかると思いますが、裁判所に離婚の訴えをできて、そして、認められるかもしれない、っていうことです。

協議離婚ができてしまえば、必要の無い条文ですね。

民法はそういう条文が多いですが。


ちなみに、訴えることができるとはいっても、ビミョーなのです。

こういう民法の家族法(親族、相続)の話は、家庭裁判所に訴えることになるんですが、裁判より先に調停をやって、それで決着がつかなかった場合だけ、裁判にします、ということになっています。


家事事件手続法です。

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(調停事項等)

第二百四十四条  家庭裁判所は、人事に関する訴訟事件その他家庭に関する事件(別表第一に掲げる事項についての事件を除く。)について調停を行うほか、この編の定めるところにより審判をする。

(調停前置主義)

第二百五十七条  第二百四十四条の規定により調停を行うことができる事件について訴えを提起しようとする者は、まず家庭裁判所に家事調停の申立てをしなければならない。

2項と3項は省略しました。

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もう一つ、

民法709条の不法行為になります。

そして、財産が損害を受けたのではなくて、精神的損害なので、710条の場合です。

みなさんご存じの慰謝料です。

ちなみに、この慰謝料って字は、当て字でして、本来は、慰藉料と書きます。読みは「いしゃりょう」です。

浮気をした配偶者と、その相手、両方に、損害賠償請求できます。


民法 第三編 債権 第五章 不法行為

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(不法行為による損害賠償)

第七百九条  故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

(財産以外の損害の賠償)

第七百十条  他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。

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なぜ、この場合、709条の不法行為にあてはまるか、といいますと、

夫婦には、貞操義務があるからです。(夫婦以外の人とエッチしない義務)

この貞操義務は、法律の条文にストレートには書いていないのですが、上に書いた不貞行為が離婚原因になることや、重婚禁止(民法732条)や、同居協力扶助義務(民法752条)が有って、そもそも結婚って何?っていうところから、貞操義務が有って、不法行為になる、っていうように解釈されています。最高裁判所の判例です。戦前からの(大審院の)判例です。


結婚が戸籍だけのことで、実質は離婚してるも同然(長期間別居しているなど)、っていう場合は、認められなかったりします。



次は刑事の話


犯罪になるか、っていう話ですが、


外国では、犯罪になる国も有ります。

姦通(かんつう)罪といいます。

フィリピン、台湾など、の東南アジアの国や、イスラムの国(中東の国、マレーシア、インドネシアなど)

それから、アメリカの東部や南部の州。


日本では、

今は、犯罪になりません。


戦前は、犯罪になりました。


刑法の削除された183条です。

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有夫ノ婦姦通シタルトキハ二年以下ノ懲役ニ處ス其相姦シタル者亦同シ

前項ノ罪ハ本夫ノ告訴ヲ待テ之ヲ論ス但本夫姦通ヲ縱容シタルトキハ告訴ノ效ナシ

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普通の人は読めないかも(^^;

結婚してる女が、エッチすると、女と、相手の男が、犯罪ということです。

結婚してる男が、独身女性とエッチしても、犯罪になりませんでした。


これって、不平等でしょう?


戦後、男女平等を定めた憲法ができたものですから、

1.結婚している男が独身女性とエッチした場合を犯罪にして、平等に罰する。

2.姦通罪自体を無くしてしまう。

の二者択一を迫られたわけです。


しかし、国会議員の先生方は、かなり多くの人が二号さんを持っていたので、2を選んだわけです。議員一人一人の心理は知るよしも有りませんが。


ちなみに、ヨーロッパなどでは、姦通を犯罪として取り締まるのは人権問題となるという考え方から、無くなっています。

おとなりの韓国では、去年、2015年2月26日、憲法裁判所で違憲判決が出ました。

アメリカでは、まだ半分近くの州で残っています。あまり積極的に適用されていないようですが、さすがに、ピューリタンの作った国だけあって、家族とか性とかのことは、かなり保守的です。

イスラムの国では、けっこう重罪です。ひどいときは死刑(石打ちの刑です)(゚д゚)!

新約聖書のヨハネによる福音書には、(ユダヤの律法の)姦通罪で石打の刑にされる女性を、イエスが助ける、という話が出てきます。

まだ、やってます。




有名人の不倫報道をきっかけに、有名なブログにも、どういう法律問題になるか、を書いてあるのを拝見しました。

その人なりに、弁護士のサイトなども見て理解されている、と思いましたが、その人も含めて、多くの人が誤解していることがあるかも、と思ったのです。


そのうち、このブログに書きますが、刑事と民事の関係です。


よく、「この事件は刑事か民事か」、というふうに聞いているのを耳にします。


答えは、4通り。

1.刑事事件にもなるし、民事事件にもなる。例)車で人をひいた。刃物で人を刺し殺した。

2.刑事事件にはなるけど、民事事件にならない。例)賭博をやった。(民事にまったく関係無いわけではない)

3.刑事事件にはならないけど、民事事件になる。例)うっかり他人の物を壊した。

4.刑事事件にならないし、民事事件にもならない。


私法(民法とか商法)と、刑法では、目的が違うので、当然です。

私法は、人々同士の関係の調整。

刑法は、国家が刑罰を課すことで、犯罪を防ぐ。